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『いらっしゃいませ。2名様ですか?二人がけのお席はこちらです』
美形の青年と、社会人のような目元のシワが特徴的な(恐らく)青年を席に案内する。不思議な組み合わせだ。
「きつねうどんの並と、かき揚げうどんの大盛りで」
『かしこまりました』
注文を厨房に伝え、ちょっと待つ。...なんだろ、さっきからヒューヒュー聞こえる...風かな...?
口笛のような音に、耳が反応する。でも店内で口笛を吹いている人はいない。さっきの二人は談笑をしている。
やっぱり異変に敏感になっているようだ。もう少しリラックスしないと...
『お待たせしました。きつねうどんとかき揚げうどんです』
「ありがとうございます。
すみませんが、連れが外にいるかもしれないので呼んできていただけないでしょうか。このうどん屋の前で待ち合わせていたもので。ツリ目で髪を短く結った男です。」
『そうなんですね、かしこまりました』
美形の青年に頼まれ、店の外に出ると、確かにツリ目の青年がいた。...この人達、どっかで見た事ある気がするんだけど、どこだっけ?
現代かな?他人の空似かもしれないけど...
『あの、お連れ様をお待ちでしょうか?』
「!?え、えぇ...色白の奴と、老け顔の奴が来てませんか?」
言い方は失礼だが、確かに連れの方らしい。...見れば見るほど、ドジな彼に巻き込まれているアイツに似てる気がする...
『あ、その方々は中でお待ちですよ。ご案内しましょうか?』
「いえ、その必要はないです」
きっぱりと彼は言うと、いきなり店の中からお客さんがゾロゾロとでて行く。何事だ?
「おぉ、留三郎、遅かったな。ドクタケの制圧は終わったぞ」
「はっ、遅かったじゃねぇか。伊作がいてもいなくても変わんねぇな」
「あぁ!?5年生の手伝いしてたんだよ!お前こそうどん食ってんじゃねぇ!」
なんの話だ。従業員の中で唯一生き残った私はポカーンと口を開けて呆気にとられる。
まだオープンして3日。私のうどんの改良計画が...というショックで、うまく頭が回らない。
「すみませんお嬢さん。訳あってこの店は規約を守っていなかったので閉店しなければならなくなりました。
代わりの職をお探しする手伝いをいたします。我々についてきてください」
『そうですか...ありがとうございます』
この時の私は、ショックで“忍術学園関係者”を見分けるヒントを、取りこぼしていた。それを、すごく後悔している。
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くまのん - 神作品を発見‼とっても面白かったです‼ (5月3日 16時) (レス) id: 333fed96b4 (このIDを非表示/違反報告)
ますしん(プロフ) - わくわくどきどき…続きが気になりすぎてどうしよう!!現世での伊作もどきとの関係も気になる! (4月25日 20時) (レス) @page24 id: 3a092db897 (このIDを非表示/違反報告)
ほうじ茶 - うわあ!待ってました!!ついに接触!?面白すぎます!! (4月15日 13時) (レス) id: 47dba8b665 (このIDを非表示/違反報告)
おんぷ - とても続きが気になって内容忘れないよう何度も読むくらい好きな作品です。 (3月31日 1時) (レス) id: 4cbcaaccff (このIDを非表示/違反報告)
おんぷ - 私だけでこちらの不具合だったらごめんなさい。更新や日付けは新しくなるのに20から先が表示されないのは 作者様がまだ非公開にされてるからでしょうか?質問失礼しました (3月31日 1時) (レス) id: 4cbcaaccff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュモ | 作成日時:2024年2月29日 17時