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『どうしましたか?』

 厨房に入ると、店長が天ぷらを揚げていた。私を見ると、気まずそうに頭の後ろを掻いた。

「あー...特に用はないんだが、昨日来たばっかなのにいろいろとやってくれただろ?ありがとうって言いたくてな」

『いえ、そんな、自分がやれることを見つけてやっただけです。
昨日が開店初日って聞いてびっくりしましたが、変更も早い段階で済みましたし、こちらこそ、新人の意見を取り入れていただきありがとうございました』

「...最近の子ってこんなにしっかりしてんの?うちの息子もこうなってほしいなぁ」

 頭を下げると、目頭を押さえる店長。息子さんがいるのは初耳だ。
 できれば天ぷらを上げているときはよそ見をしないでほしい。心配になる。

 私がいると集中できないかも。今は人が少ないから急いで戻る必要はないけど、そろそろ戻ろう。

『じゃあ戻りますね』

「ちょ、ちょっと待って」

 呼び止められ、ちょいちょいと手招きをされる。
 少し寄ると頭をぐしゃっと撫でられ、結んでいた髪の毛が崩れて緩くなる。

「なんか気を張ってるみたいだけど、力抜いてね」

『!ありがとうございます...』

 呆気にとられ、再び店長が天ぷらを揚げだすまで瞬きもできなかった。
 いつの間にか人にバレるほど顔に緊張が出ていたようだ。気をつけないと。

(...撫でられちゃった)

 髪を纏め直して、自分の頭を撫でる。最近いろいろと考え過ぎていたから、流石に脳が疲れているんだろう。

 あとちょっと頑張って、今日は早めに寝よう。

「すいませーん!注文とってくださーい!」

『はーい!』

 急いで暖簾をくぐってお客さんのもとへ筆と竹を持って向かう。

 席に座っていたのはお子様だった。
 乱太郎くんと同じくらいなのに、子供だけでお店に入ったりするんだ。危うい...

「素うどん3つ、お願いしまーす!」

『かしこまりました』

 厨房の近くの席に座っているから、すぐに配膳できそうだ。
 竹の札を料理担当の人に見せて、品の到着を待つ。今日の賄いは紫蘇を入れてほしいな...

「すごくいい匂い、天女様も連れてきてみたいねー」

 お子様の一人の言葉に耳を疑った。今、天女様って言った?

「今度の天女様は優しいよね。先輩方も先生も普通だし。そんな天女様だけ落ちてくればいいのに」

 頭がグルグルする。なぜ?天女は生きてるの?優しい人もいるの?地獄じゃないの?
 なにかが、おかしい...

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くまのん - 神作品を発見‼とっても面白かったです‼ (5月3日 16時) (レス) id: 333fed96b4 (このIDを非表示/違反報告)
ますしん(プロフ) - わくわくどきどき…続きが気になりすぎてどうしよう!!現世での伊作もどきとの関係も気になる! (4月25日 20時) (レス) @page24 id: 3a092db897 (このIDを非表示/違反報告)
ほうじ茶 - うわあ!待ってました!!ついに接触!?面白すぎます!! (4月15日 13時) (レス) id: 47dba8b665 (このIDを非表示/違反報告)
おんぷ - とても続きが気になって内容忘れないよう何度も読むくらい好きな作品です。 (3月31日 1時) (レス) id: 4cbcaaccff (このIDを非表示/違反報告)
おんぷ - 私だけでこちらの不具合だったらごめんなさい。更新や日付けは新しくなるのに20から先が表示されないのは 作者様がまだ非公開にされてるからでしょうか?質問失礼しました (3月31日 1時) (レス) id: 4cbcaaccff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シュモ | 作成日時:2024年2月29日 17時

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