二十九話 ページ31
…
｢Aくん、これ｣
『！･･･なん、で』
｢良かったら来て欲しいな｣
朝七時を過ぎた頃、
あんずに茶色い封筒を渡された
封を開ければ直ぐにそれがKnightsのライブの特等席のチケットだと知ってボクは一瞬思考が停止した
｢お願い。これっきりだから｣
チケットを眺めてぼーっとしていたら
悲しそうに微笑みながらあんずがそう言った
『･･･分かった』
そんな顔されて断れる訳なかった
あの日･･･なずなが家に来た日からボクは外に出ることが無くなって自室に籠るようになってしまった
けどあんずは何も言わずにボクを見放さないでくれた
それなのに我儘ばっかり言うなんて
かっこ悪いしきっと嫌われちゃうから
・
『今日だけ、頑張ろっかなぁ』
天祥院に退学の件について聞かなきゃ行けないし
泉からくまのポーチを取り戻さないとだからね
ボクはあんずを見送ってから再び自室に戻った
・
・
『なんか体力なくなったかも』
少し歩いただけでもめっちゃ疲れた
バレ防止の為にマスクしてるから息しづらいし
学院祭だから一般人が異様に多くてとても動きづらい
･･･とりあえず天祥院の所に行かなきゃだよなぁ
ボクは緊張に震える身体に喝を入れて前に進んだ
・
・
｢おい天祥院｣
・
ボクは生徒会室のドアを乱暴に開けた
椚先生に見られたら怒られるかもしれないけど、
道中よく分からない奴に絡まれてボクは苛立っていた
｢っ･･･あ、ご、ごめんね｣
天祥院が書類を落としたけどそんなことは知らない
｢あっ･･･！｣
｢え、せんぱ･･･ぁ｣
･･･あ、
敬人が紅茶ひっくり返した
のと同時に衣更がペンと書類を落とした
なにきみら、
ボクの話聞く気ある？
・
『･･･ほら、拾ってあげたんだから話聞け』
床に落ちた書類を拾って渡すと天祥院はたじろいだ
｢あ、あ、ありがとう･･･？｣
『礼は求めてない』
ボクはそう言って天祥院に近付いた
天祥院は未だに状況が把握出来てないのか開いた口が塞がっていない。･･･きみそんな表情も出来たんだ、
まあ、別に興味無いけど
・
・
｢とりあえず紅茶飲ぁっ･･･、｣
そう言って天祥院は再び書類を落とした
これが生徒会長とか不安でしかない
…
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れもんてぃー(プロフ) - アリサさん» アリサさんありがとうございます！ご期待に添えられるよう、頑張ります！ (2021年9月8日 18時) (
レス) id: ee93852d02 (このIDを非表示/違反報告)
アリサ - 好きです。更新楽しみに待ってます (2021年9月8日 18時) (レス) id: 2149cb42f2 (このIDを非表示/違反報告)
れもんてぃー(プロフ) - ねこまるさん» ねこまるさんありがとうございます！そう言って頂けて幸いです！これからも精一杯頑張ります！ (2021年9月4日 8時) (レス) id: ee93852d02 (このIDを非表示/違反報告)
ねこまる - え、待って、すごい好きです。こういう感じの夢主本当好きなんです！文章書くのも上手で…！作者様のペースで更新頑張ってください！ (2021年9月4日 8時) (レス) id: ccf2dbd148 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れもんてぃー x他1人 | 作成日時：2021年9月2日 11時
