-base-俺が立つべき場所 1 (ページ22)

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投球ページ22

『ストライーク！』

　投げ始めると意外と大丈夫なもので、急速もいつもに比べて落ちていない。

　2-2となってから粘られ、第8球。

　

　きわどいコースだったが判定はボール。

　俺が少し苛立っているのを察して、タクが"冷静に"というようなジェスチャーをしている。

　気を取り直して第9球・・・ファール

「・・・っ」

　一瞬ズキンッと頭に痛みが走ったが、こんなところで倒れるわけにはいかない。

　『第10球、投げました！』

　『空振り！空振り三振です！！新垣がピンチをしのぎましたっ！』

　小さくガッツポーズをして、ベンチに戻る。

　「ナイスピッチング♪」

　「ありがとうございまーす(^_^)」

　打者1人に投げただけなのに、それ以上の疲れを感じる。

　「ふぅ・・・」

　岸本がさっと隣に座った。

　「さっきはすみませんでした・・・大丈夫ですか？」

　「大丈夫さ♪ 俺のせいで無駄に緊張しただろ？ごめんなー(´・ω・｀)」

　「いえいえ、そんなの関係ありませんよ(^_^;) 俺の力不足です・・・コンコン、ゲホッ・・・」

　「岸本も風邪？(笑)」

　「うぅ・・・ちょっと風邪気味みたいです(p_-)」

　「気ぃつけろよ♪ って人のこと言えないか(笑)」

　「ははは・・・ゲホッ。」

　「ま、俺が次の回も絶対抑えるから大丈夫！」

　「お願いします(＞_＜)」

　「おぅ♪」

　熱が上がっているのは自分でも分かっていた。

　だけど小林さんもいないこの場面で、俺には続投以外の選択肢はなかった。

　今頑張らないと後悔する。