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PD
案内されるがまま
説明にてきとうに相づちを打った
正直オブジェや建物のこだわった部分の話なんてどうでもいい
ずっと頭の中をメンバーはどこにいるのか
特に
作詞作曲家の子に
会って話をさせてくれないか
という問いを
自然投げかけるタイミングを見計らっていた
次は練習室に案内してくれるという
ここだ、
会話の流れで自然に聞くことができた
今この会社にいるのは4人中3人
1人はドラマの撮影だと、
まあ脇役でエキストラとほとんど変わらないんですけど、
と頭をぽりぽりとかきながら
恥ずかしげに言った
練習室を覗くと
女の子2人が自主練であろう
曲に合わせてダンスを踊ってた
ふつうだ
だがふつうではダメなんだ
ダンスの練習もさせる必要がありそうだ
まだ契約は決まっていないのに
すっかりプロデュースする気になっていた
改善すべき点がどんどん上がるが
それを口にすることをこらえた
まだ契約していない身で
他社のことに口を出すのは
流石に差し出がましい
練習室に入るかと聞かれたが
練習の邪魔をしたくないと言って断った
多分我慢できず口出ししてしまう
それに1番気になる子に会えていない
またまた自然に
1人いないことを聞け、
作業室にいるというため
案内するように催促した
作業室ということは
また新たな曲を作っているのか、
今制作中の曲を聞かせてもらえないだろうか
淡い期待を胸に、
作業室に向かった
ドアのガラスから中が伺える
椅子に座り何か作業をしている
女の子の後ろ姿が見えた
ああ、この子か
この子がGRACEか
GRACEのためにここへ、
日本まで来たと言っても過言ではない
やっと会えるのか
ここが勝負だ、
ドアをノックし開けた
振り返り私を見たGRACEは
戸惑いを見せたが心よく中に入れてくれた
よかった、
ここで嫌われては元も子も無い
警戒心を解こうと
英語であいさつしながら
握手をしようと近づいた
GRACEの綺麗な顔が苦いものを噛んだかのように歪んだ
一瞬訳が分からなかった
考える暇もなく
直後肩にしっかりと手を置かれた
止まれと言うように
なんだ、、、?
重くのしかかったこの手の持ち主を顔を見てやろうと振り返る
私が誰だか知らないのか?
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作者名:むみょん | 作成日時:2019年8月6日 0時