２２ ページ22
最寄り駅に昔からある和食屋さんは昔ながらの味で彼女にも気に入ってもらえたようだ
ご飯を食べて、少し飲んでフラフラと歩きながらマンションに帰る
「Aは酔っ払ったー？」
「どおかなー？顔赤いー？？」
と彼女が顔をのぞき込む
すぐに顔を背ける
俺の方が赤くなりそうだ
「今日の和食屋さんすっごく美味しかった〜連れてってくれてありがとう〜」
「じゃあ、また行こうか〜」
「そーだね！」
いまなら聞いてみてもいいかもしれない
「ねぇ、Aー？」
「なぁにー？」
彼女の手が触れそうなくらい近い
「今月の末の土曜日あいてない？」
会社でパーティーがあるんだけど一緒に出て欲しいって続けて言おうとしたら
「あっ、その日は予定ある・・・・。」
と先に言われてしまった
「あっ、そっかぁ〜じゃあ、仕方ないよな」
手をポケットに突っ込んだ
「なぁにー？あっ、さっき言ってた映画見に行く？？」
ご飯を食べながら今度公開する映画が見たいなって話をしていたから彼女から誘ってくれた
「日曜日だったら空いてるよ」
と、背の低い彼女が俺を見上げた
「じゃあ、映画見に行こうか」
と言うとうん！って嬉しそうに笑った
その隣で気持ちが落胆するのを必死で隠した
もともと予定があるなら仕方ないよな
でもAのドレスコード見たかったな〜
もっと早く誘えばよかった
隣で鼻歌を唄いながら楽しそうな彼女を横目に月を見上げた
「月が綺麗ですね」
ビクっとして彼女が立ち止まった
そしたら今までにないくらいにAの顔は真っ赤だ
「酔った？？大丈夫か？？」
一瞬不思議そうな顔をして「えっ.....」
と言って固まってしまった。
「A？？大丈夫か？？？」
おでこを触る
「熱はないみたいだな...」
彼女は俯いてしまった。
「帰ろう」
と言ってまた歩き出した
エレベーターで3階に上がるまでなんだか変に静かだった
俺は不思議でたまらなかった
「また来週の日曜日に！」
と言うと
「あっ、うん、またね！」
と言って部屋に入ってしまった。
俺は自分の部屋に戻らず下のシルクの部屋に向かった
(一体何なんだ・・・・・・・。)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 6人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みぃ | 作成日時：2017年12月20日 9時
