【HQ!!】ねぇ、先輩。【黒尾鉄郎】-完-

#18 ページ18

＊





『黒尾先輩隣いいですか？』



黒尾「おう、」





帰りの新幹線。





寄ってきたり、離れていったり、




どうも振り回される俺。






『聞いて下さいよ〜飛雄くんとLINE交換したんです！』



黒尾「おお、良かったじゃん」



『あと、西谷くんとも交換しました』



黒尾「スーパープレイしかしてなかったおふたりさんじゃねぇか」



『名選手の情報は持ってるだけ得なので！』



黒尾「にしても、影山クンはお気に入りっぽいな」



『はい！可愛いので！』





いつも俺に向ける笑顔、





影山クンにも向けたのかと思うと胸糞悪い。





黒尾「あ、そう」



『先輩もしかして…』





なんて少しニヤニヤしながら俺の方を見るA。






あ、これコイツ嫉妬してるって気付いてんな。






『ヤキモチですか？』



黒尾「分かってんならやめろよな〜」



『でも私たち付き合ってないですよね？』





その言葉がグサッと刺さる。





それはどういう意味で言ってんだ。





早く告れって意味か？





まぁそれならまだ良い。





私の自由だよね？みたいな意味ならしんどいわ。





黒尾「なんつーこと言う女だ、ったく」



『先輩に言われたくないですよ』



黒尾「なんでだよ」



『先輩だって付き合ってない私に思わせぶりなこと言うじゃないですか』



黒尾「そうだけどよ」





本当に意味分かんなくなってきたわ。





こんな会話してて、




お互い好きって分かってる。





なのに、





触れられる距離ではない。





黒尾「俺たちどんな関係なんだろうな」



『先輩後輩ですよ』



黒尾「そうじゃなくて」



『それ以上は言わないで下さい』



黒尾「え…？」





そう言ってスマホに目を落としたA。





最近Aの気持ちがわからなくなってきたのは、





気のせいか？





＊

#19→←#17

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す