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奈子said
夜中に鼻を啜る音がして、目を覚ました。
いつもだったら明日のためにもう一回寝ねくちゃって思うんだけど、明日は土曜日でお休みだからまあいっかと思って体を起こした。
仕切りになっているカーテンを少しだけ開けてみるとベッドの上で体育座りの格好しているお姉ちゃんの姿があった。
そういえば今日の夜お兄ちゃんとお母さんが慌ててお姉ちゃんの迎えに行ってたし、お父さんもいつもより早く帰ってきてた。
「どうしたの?」
そう聞くとびっくりしたように、私の方を見た。
目は真っ赤に腫れていて、部屋の電気はつけっぱなしだった。
彩「ごめんね。起こしちゃったよね」
私はうんと言っていいのかわからず、首を傾げておいた。
とりあえず電気を消してあげようかなと思い、電気のスイッチの方へ行くと、
彩「できたらつけといてほしい」
と困ったように言われた。
自分が怖い夢を見た時、確かに電気をつけたまま寝たくなるなと思い、素直にわかったと返事をした。
なんだかとても悲しそうな顔をしている気がしたから、そっとそばに行って
「一緒に寝てあげる」
と言って布団に入り込むとお姉ちゃんはクスッと笑って抱きしめてくれた。
「おやすみなさい」
彩「おやすみ」
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奏月猫。(プロフ) - どの作品も素敵ですごく好きです。これからも頑張って下さい! (2023年1月24日 21時) (レス) id: ed0fc9dec4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みずくらげ | 作成日時:2023年1月7日 18時