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彩said
どちらかが話すということもなく歩いていると、ふと思い出したように砂原が
砂「なんかあったの」
とサラリと聞いてきた。
私は傷に触れながら
「友達となかなか関係修復できなくて」
と、昨日言った悩みをポツンと言った。
その時正面から強い風が吹き、風が傷に触れる。
隣にいる砂原が小さく息を呑む気配がした。
風が収まり砂原に傷が見えたしまったのではないかと緊張していると案の定で
砂「その傷どうしたの」
と私に聞いた。
やっぱり見られてしまったかと残念に思ったがすぐに
「よく覚えてないんだけど昔怪我したらしい」
と曖昧な答えで濁した。
家のすぐ近くまで行くと、昨日いた男の人がまた立ち去って行くところだった。
砂「あれ昨日のやつじゃね」
そう言った砂原の声は私には届いていなかった。
名前も知らないあいつの後ろ姿なんて見たこともなかったから。
確信は持てないが、もしかしたらと思わずにはいられなかった。
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奏月猫。(プロフ) - どの作品も素敵ですごく好きです。これからも頑張って下さい! (2023年1月24日 21時) (レス) id: ed0fc9dec4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みずくらげ | 作成日時:2023年1月7日 18時