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じゅうろく ページ17

結局言い合いはこいつに押され、呼び名は快斗くんになってしまった。





「そういや、これからどこ行くんだ?」





『え?』





…ああ、そうだった。






久々に帰ろうとか言ってたじゃないか。





私は、諸事情あり家が二つある。





普段は米花町のマンションで暮らしているが、杯戸町に一軒家がある。





時々は帰らないと汚くなってしまうため、不定期で帰ることにしているのだ。





……困ったなあ。






これじゃあ帰ろうにも帰れない。






『……家に帰ろうと思ってたんだけど、快斗くんがいるんじゃなあ…。』






どうしたものかと考えていると、快斗くんの顔が険しくなった。






『…快斗くん?』





「なあ、それ、」





嫌な予感。





「俺も行きたい。」





そら見ろ。





答えはもちろん、





『い!や!だ!』






そりゃそうだ、こいつにはまだ話してないことが沢山ある。





その中の一つをこんな形でなんて絶対に嫌だ。





「なんでだよ。」





まあこうなるだろうな。





最近知ったがこいつも中々頑固だ。





やだ、行きたい、言葉のキャッチボールが成り立たない。





『……あーもう、来たいなら来ればいいよ。』





このままじゃ埒が明かない。





仕方なく、溜息をつきながら私は言った。





「ほんとか!!」





やったーと子供のように喜ぶ快斗くん。





こいつ本当にガキなんじゃないの。






『ただ。』





「?なんだよ、」





『来るならちゃんと私も話すから、過去の話。』





この人を家に呼ぶならそのくらいはしなければと思った。





なぜだか分からないけど。





「……おう。」





『…重いから、覚悟しときなよ。』





薄く笑って言う。





「…望むところだ。」





快斗くんはふっと笑いながらそう言い、私の頭を撫でた。





……なぜだろう。





なんだか懐かしいような、暖かい気持ちになった。






とても安心する。





が。





…これ超恥ずかしくない?





『…っもういいから、』





私は耐えきれず、顔を背けた。





「んだよ、恥ずかしがってんのかー?」





『うっさいあっち行け。』





可愛い奴めと肘でつつかれる。





『っそんなんじゃ家連れてってやんない!』





「それは嫌だ!!」





なんなんだこいつは。





私達はぎゃあぎゃあと騒ぎながら私の家へと向かった。

じゅうなな→←じゅうご



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なっちー(プロフ) - あさん» 頑張って下さい!応援してます! (2020年4月25日 16時) (レス) id: 93f1e472f5 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - なっちーさん» ありがとうございます( ; ; )完結まで頑張ります! (2020年4月25日 16時) (レス) id: c8889330e2 (このIDを非表示/違反報告)
なっちー(プロフ) - この話し面白いです!夢主ちゃんとコナンくんの会話が面白くて笑いがw 更新頑張ってください! (2020年4月25日 13時) (レス) id: 93f1e472f5 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ケイト・アーレントさん» ようやく出来ましたありがとうございます!! (2020年4月23日 13時) (レス) id: c8889330e2 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - シーナさん» 返信遅くなりすみません!!ありがとうございます! (2020年4月23日 13時) (レス) id: c8889330e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:6530 | 作成日時:2019年5月12日 20時

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