修羅場（3） ページ19
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阿部「もしAが康二をご飯に誘ったけど、康二が他の女性と内緒で食事に行ってたらどう？」
A「内緒ってことはその人のこと好きなのかな？って。」
阿部「康二もそう思ったんじゃない？」
A「でも私だったら怒りより悲しいになるけど。」
阿部「ほら、正門と康二はジュニア時代一緒に頑張ってきた友でありライバルでしょ？だから悔しかったんじゃない？Aのこと取られたみたいで。」
A「そういうもの？」
阿部「そういうもんだよ。しかも康二、みんなで飲みに行ったって聞いたし、お酒入ってたからいつもより冷静じゃなかったのかも。」
確かに康二に近づいたときお酒の匂いがした。
だからと言って、あの行動を「そっか。お酒のせいか。」なんて言葉で片づけたくない。
康二がなんであんな行動をとったのかちゃんと本人から聞きたい。
A「…康二、許してくれるかな？」
阿部「許すも何もAは悪いこと別にしてないんでしょ？」
A「うん。」
阿部「ちょっと考えが噛み合わなかっただけだから話せば元通りだよ。」
ね？なんて可愛く言う阿部ちゃん。
その表情に私の緊張も徐々に解けていった。
阿部「あ、丁度ふっかから連絡来た。康二連れて行っていいか？って。」
A「うん。」
阿部「じゃあOKするね。」
少しして部屋のチャイムが鳴る。
阿部ちゃんが代わりに扉を開けに行ってくれる。
すぐにドタバタとした音が近づいてきた。
向井「Aちゃんほんまごめんな〜〜〜！！！俺、おかしかったやんな！？ほんまごめん〜〜！！！」
次の瞬間にはすごい勢いで康二に抱きしめられていた。
大泣きしながら謝る康二をふっかさんと阿部ちゃんはやれやれといった表情で見ていた。
康二「俺、ふっかさんたちと呑んでホテル戻った後、コンビニ行きたなってん。で、一人で行ってん。」
A「うん。」
康二「ほんならAちゃん見かけて、嬉しくて近づいたのに隣におるの正門やって気づいて、なんで？って言う感情でいっぱいでめっちゃ苦しくなってん！！ほんでAちゃんに感情ぶつけてしもてぇ〜。」
A「うん。」
向井「どうしたらええかわからんくなってん。俺、怖かったやんな？ほんま、ほんまごめんなぁ〜〜！！！」
一生懸命話す康二の言葉も、康二から伝わる体温も全てしっかり受け止める。
それが今の私に出来ることだと思うから。
康二の涙でどんどん肩が濡れていく現状につい笑ってしまった。
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作者名：迷子のフクロウ | 作成日時：2022年12月17日 20時
