大丈夫 ページ10
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A「…っ！！ はぁ…。」
夢を見た。
大勢の人から非難の言葉をかけられ心が押し潰されそうになる夢。
周りは全員知らない人。
逃げたくても足が重くて動かない。
ただそこで泣いてるだけの幼い私。
ふと携帯を見るとマネージャーさんからメッセージが来ていた。
『あと20分で家着きますが起きてますか？』
その後に3回は電話が来てる。
あとふっかさんから3回。
やば…。と思ってると携帯にふっかさんの名前が表示された。
A「…はい。」
深澤「おはよ。寝てたでしょ？」
A「…はい。ごめんなさい。」
深澤「まだ大丈夫。あと5分で着くけど。」
A「頑張ります。」
深澤「よろしくね。」
ふっかさんとの電話を切りすぐに支度を始める。
今日は収録日だからメイクさんもスタイリストさんもいるし、なんとかなる。
A「うん。今はみんないる。」
事務所に入った時は味方なんて誰もいなかった。孤独だった。
でも今はみんないる。
メンバーだけじゃないスタッフさんもみんなが私を支えてくれている。
だから安心して進むことが出来る。
私はさっと着替えてアパートを出た。
A「おはようございます。」
深澤「おはよ〜。」
車に乗り込むと後ろでふっかさんが手を振って挨拶してくれた。
私はそのままふっかさんの横に座った。
深澤「…えっ！？！？待って、俺の隣でいいの！？」
A「…なんで？」
深澤「なんでって、普段Aから俺の横座ることないじゃん！！！」
確かにいつもはふっかさんの前か後ろに座るから横ってないかも。
まだふっかさんと私しかメンバーは乗ってないから席も空いてるわけだし。
それでも自然と横に座ったのは、今朝見た夢のせいかも。
このタイミングでのふっかさんは、ずるい。
A「ふっかさん、寝るから静かにして。」
深澤「えっ、嘘っ！？まじ！？！？」
なんとなく甘えたくなってふっかさんの肩に頭を置いてみた。
ふっかさんはビックリした後、声にならない声を出している。
そんなに私って甘えたことなかったっけ？
これも全部今朝の夢のせいにしよう。
ラウ「おはようございま〜す。…って、え、まじ？」
深澤「まじ。」
ラウ「え、Aちゃんがふっかさんの肩で寝るって、奇跡じゃん！」
深澤「ぅおい！奇跡言うな！」
この後みんなに隠し撮りされたという事実を私は知らない。
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作者名：迷子のフクロウ | 作成日時：2022年12月17日 20時
