主人公と一緒に転生した女

新たな合流者 ページ41

「黙れ！！」

「ぴぃっ！？」

不意に割り込んできた能天気な声に、スバルのキツい突っ込み。
するとそれを聞いた相手が飛び退き、派手に予備の机を巻き込んで転倒した。


「お前、リリアナか！？」

「うぎゃぉう！肘が！膝が！全身の骨という骨が砕け散った痛みが！肋骨が六本全部折れました！間違いありません！」

スバルの眼前で、床を元気にのたうち回るのはあの歌姫様、リリアナだった。
そういえば姿が見えなくて心配していたところであった。私は安堵に胸を撫で下ろした。

それと同時にケイの安否を確認したくて仕方なくなる。
ケイと知り合いの人はここにはいない為名前は出してないけれど…。 怪我なぞしていたら溜まったもんではない。


「別れた後がわからなくて心配してたけど、無事みたいでよかった。ホッとしたぜ」

「無事！？今まさに、死に瀕する私を見て何をおっしゃる節穴ですか！苦しみ悶える美少女を見て胸を撫で下ろすって、猟奇的趣味か！閃きました。聞いてください。――指！耳！次は目だ！」

床に胡坐を掻いて、リュリーレを掻き鳴らすリリアナは健常者そのものだ。

「全然元気で安心だわ」

「あ、でもどうして都市庁舎に？今、外をうろつくなんて危ないにも程が……」

「無論、妾がいればこそに決まっておるじゃろうが、凡骨」

凡骨。この言われように聞き覚えがあった。
振り向くと高い靴音を立てて、会議室に足を踏み入れた、絢爛に輝く赤い女が立っていた。

彼女はその頭から爪先まで赤い姿のまま、血のような色合いの瞳で部屋の中を見渡し、

「役者は揃っておるようじゃな。凡俗共が、主演たる妾を座して待っておったのはよい心がけと言っておこう。その心がけ、今後も弁えるがよいぞ」

「げげげ…」

スバルがめんどくせぇを顔に描きましたというような顔をする。

確かこの人はプリシラ…だっけか。

この後はプリシラさんに事情を説明する会が行われた。意外にもすんなり話を聞いてくれた。

その合間にスバルとオットーさんが抜け、オットーさんだけ戻り、その後はスバルと強者の雰囲気を醸し出している人ーーこの人は確かヴィルヘルムさんと共に戻ってきた。

「スバル遅い」

「ごめんって〜！お前優しいんだし、許してくれよ」

「はぁ？私がいつスバルに優しくしたの」

「そういう無自覚な所とか、優しさだろ。ってこれなんかキモいな俺」


すると、アナスタシアさんが手を叩き全員の顔を見渡す。

「ほんなら、本当にようやく本題に入るとしよか。四つの制御搭と、四人の大罪司教。その攻略のための戦力配置の話し合いや」

相手→←会議にて

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