それでも明日は ＊4＊

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その夜、ご飯は佐久間くんと俺は
床に正座させられて食べることになってしまった。
ラウールが何回もこっちみて笑ってくるから、
もうって睨み返すと、低い声で阿部ちゃんに呼ばれ、
舘に微笑まれでもう散々。

俺らのご飯だけ何かやけに緑色というか、
めちゃくちゃ野菜中心というか、肉食べたいわ。
ごめんねって言われるけど、
顔がめっちゃ笑っとるし、説得力ゼロやねんな！！

結局皿洗い2人でやって、
正座して反省の弁を述べまくって、やっと終わった。
足も散々痺れて、それをめめにつつかれて
悲鳴あげたら、また怒られたんは…俺のせいやない。




「そういえば、今日ふたご座流星群見れるらしいよ？」



晩御飯が終わった頃、阿部ちゃんが言った。
流星群っていう言葉につられて身を乗り出すと、
スマホの画面に"本日ふたご座流星群"の文字。



「えっ！！いいな！！みたい！！」

「寒くね？」

「ええっ！！見たいじゃん！！」

「...まあ、確かに？」



「...俺も、見たい...です」



その呟きを聞き逃すわけない俺らは、
勿論天体観測が決定した。
俺も絶好のシャッターチャンスを逃すまいと
お気に入りのカメラを充電して、レンズを磨く。



「向井くん...、」

「んー？どしたん？」

「昨日は...ごめん、なさい...」



急な謝罪に変な声が出た。
昨日俺が怒ってたことなんて、鼻血と説教で
全部吹き飛んでたわ、と今になって思い出す。



「ええよ、許す」

「...ごめんなさい」


「でもな、ラウール。

俺らが、絶対世界から切り離させんからな。
勝手に独りになろうとしてんちゃうぞ。

絶対、絶対、離してやらんからな」



はいって頷いたけど、多分ラウールは
本当の意味は分からへんのやろう。
でも、伝わらんくてもいい、片隅に、
頭のどっかにあれば、それだけで充分や。


治してあげることも、代わってあげることだって、
俺がSnowManとして支えてやれることなんて
今ぱっと思い浮かばんくらい、力がない。


でも、1人の人間として、絶対離さへん、支える。


そうやって言い切った あの日を思い出す。
それから俺は"聞こえる"っていう
明確なテーマを持って写真を撮り始めた。

少しでも、ラウールの世界を彩りたかった。



「お前の負けだなぁ...、ラウ」



あの日と同じようにふっかさんが笑った。

俺は、何回でも言うよ。
絶対、離さへん。
優しいからじゃない、好きやから、大事やから。

離れようとしたって、そうはさせへんから。

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