それでも明日は ＊4＊

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「ふっか」



手を離さなきゃって思ったのは、
自分の為じゃなくて、ファンや俺達のため。
前を向かなきゃって、頑張り続けたのは
みんなとSnowManであることを諦めたくないから。

ラウールはいつだって、
頑張るっていう選択肢以外をとったことはなかった。



「…ラウールが俺の部屋に泊まった時、言ったんだ。
聞こえたって、ちゃんと聞こえたって。
もう、わかんない音の方が多くなってきて、
きっと俺達が思ってる以上に、厳しい現実なんだよ」



手を抜く、とかそんな話じゃなくて。
どちらかだけを取って、どちらかを諦めるっていう
選択肢はハナから存在しなくて。
どちらも、どうしたら取れるか、
どうしたら頑張れるかって、ただそれだけ。



「でも、言ってたじゃん。
SnowMan諦めないって。また歌うって。
出来たじゃん、無理かもしれないって思ったのに。

…俺達、ずっと積み上げてきたじゃん、ちょっとずつ」



手からすり抜けていくものの方が多いのに、
必死になって、また拾って。
積み重ねては、その重さに泣いて。

それでも、ずっと、SnowManという場所を
守り続けるために、必死になっていた。



「雪と、同じで、1粒だと溶けていっちゃうくらい
本当に小さいものだったのに、
ちょっとずつ、ちょっとずつ、積み重ねてきたじゃん」



それは、ラウールだけじゃなくてみんな同じ。
ラウールが俺達やSnowManを大切に思ってるのと
同じように、俺達もラウールが笑顔で、幸せで
あること、ただそれだけを祈り続けてきた。

上手くいかないことに、時には投げ出してしまいそうに
なることもあったけれど、それでも。
大丈夫だというみんなの言葉を信じて、
また立ち上がって歩くことが出来た。



「また、積み重ねていこうよ ＿＿ 記憶も、音も。
悲しい顔で謝ってきたら、
それ以上に笑って抱きしめてやろうよ。

ずっと、やってきたじゃん、今まで。
1人でそんなに悲しまなくていいよ。
みんな、悲しくて、辛くて、やりきれないんだから。

みんなで、悲しんで、泣けばいい。
そしたら、また、きっと歩き出せるから」



その夜、ラウールが起きることは無かった。
起きたのか、起きたくなかったのか。
何かあった時のために、全員でふっかの家に行って
テーブルやソファをのけて、布団を敷いた。

寒いけど、暖かい。
寂しいけど、寂しくない。


積み重ねられる未来が、今、ここにある。
積み重ねられる思い出が、俺達にはあった。

そして、また。

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