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クローゼットの中に、照はいた。
扉のサイズ的に入ったらギチギチだろう場所に。
ふっかが扉を開けようとすると、
中から開かないように照が押さえているのか開かない。
何度かやり取りがあった後、聞こえてきたのは
普段聞かないような、小さな声だった。
「あとで、絶対行くから、待ってて」
どこに、とか、どこでとか言いたいことは
いっぱいあったけど、
照がこういうのは初めての経験で、
俺達は分かったと言ってこの部屋を離れる他ない。
あとは翔太と涼太、康二とめめだけ。
＿＿＿ あれ、翔太と涼太、
あんだけ叫んだのに、来ないって...ある？
聞こえないはずがない。
そして、来ないはずもない。
確かにこの屋敷は広いし、部屋もある。
でもドームやアリーナじゃあるまいし、
端から端まで歩くのにそんな時間は掛からない。
叫べば2階や3階だって聞こえるし、
聞こえた後に走ったら、ものの数分で着く距離。
それなのに、なんで。
「佐久間くん？」
「ぅわっ...ぁ、と、ごめん、ぼーっとしてたわ」
「何、考えてる？」
ラウールが俺の首筋に手を添える。
「ねぇ、何、考えてるの？」
「...んにゃ、何も？」
「ウソツキ」
隠しても無駄だと言わんばかりの目。
「そんな探るように見ても、
なんも考えてねーよ、ぼーっとしてただけ！」
「佐久間くん、変なこと、考えちゃダメだからね」
「え？」
「大丈夫、きっと、みんな見つかるよ。
みんなはちゃんと、ここから出られるからね」
みんな、は。
「お前は？」
「佐久間くん」
吸い込まれそうな、目。
「大丈夫」
そこは、俺もって、笑わないんだな。
「手前の部屋は全部見たし、あと奥だけか。
ラウ、佐久間、行くよ、迷子になるから、ほら」
「はぁい！」
また、ラウールの背中が遠くなる。
1階手前の部屋は見終わったから奥に行こうと、
玄関前を通った時、顔を真っ青にした涼太と翔太が
ドアノブを握ったまま立ち尽くしていた。
その顔が、さっきの俺と阿部ちゃんみたいで。
「しょっぴー、舘さん、どうしたの？」
ラウールが声をかけると、お互いがお互いを
守り合うように手を交差させ、
壁に背中をピタリとくっつけた。
ラウールとわかると全身の力を抜き、
良かったと呟いてたけど、顔色は変わらない。
そして、見つかってよかったとか文句よりも先に
「ドアが、開かない」
翔太の声が酷く震えてた。
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みさ(プロフ) - ぴぴろんさん» コメントありがとうございます！50ページほどあるのを一気なんて…！嬉しいです！他の作品まで！？本当にありがとうございます！ゆっくりにはなってしまいますが、頑張りますのでこれからもどうぞよろしくお願いします！ (11月16日 9時) (
レス) id: 1fb25e0756 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴろん - すごく引き込まれるお話で、一気に最後まで読んじゃいました！！他の作品も全て読ませていただきました！これからも楽しみにしています！！！ (11月15日 21時) (レス) @page50 id: f81a8e6519 (このIDを非表示/違反報告)
みさ(プロフ) - ちいさん» コメントありがとうございます！なかなか更新が滞っていて進まないお話ではあるのですが、楽しみにしていると言ってくださって嬉しいです！これからも頑張りますので、ゆっくりのんびりと待っていただけると嬉しいです！これからもぜひよろしくお願いします！ (11月14日 2時) (レス) @page7 id: 1fb25e0756 (このIDを非表示/違反報告)
ちい(プロフ) - 初めまして。ラウールくんのこういうお話って中々ないので、書いてくださって嬉しいです。お話の内容も凄く引き込まれました！これからも楽しみにしています＾＾ (11月13日 20時) (レス) @page50 id: 55bf2eb683 (このIDを非表示/違反報告)
みさ(プロフ) - あいはねさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいし、幸せの限りです。同時並行なんか無茶か…とも思いましたが、どれも大切な白さんなので、少しづつ大切に書いていきます。長らくお待たせしていますが、これからもよろしくお願いします。 (2022年9月24日 19時) (レス) id: 1fb25e0756 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みさ | 作成日時：2022年8月10日 1時
