(2) ページ41
・
・
・
分かる？って阿部ちゃんの言葉に、
ううんって首振るふっかさん。
「4回以上って、話…だよね？
仮に俺と翔太と舘さんの見た最期が
それぞれ別の世界の話だとしたら…
何回、繰り返した…？」
みんながベッドに眠るラウールを見た。
顔色なんか最悪で、真っ白で、
息もしてるんかなって不安になるくらい静かで。
生きてるって、泣いたふっかさんの気持ちが
少しだけわかった気がする。
「…あの部屋の最後さ、ラウ、言ってたじゃん？」
『今から何があっても、
泣いたり、悲しんだり、しないでほしいんだ』
『自分を責めたり、後悔しないで欲しいの。
SnowManはずっと、SnowManだし、
それはずっと、これから先も変わらないから。
だから、真っ直ぐ、前向いて、歩いて欲しい』
『俺、SnowManで幸せだった。
みんなが大好きだし、みんなと出会えて、
本当に、本当に、幸せだったよ』
「＿＿＿ ありがとう、愛してるって…さ。
いつかの世界でラウールが死んだ時は、
これが正解だったんだって、言ってたんだ。
ラウールは出来るだけ俺達が振り向かずに
出口に走っていけるように、
死ぬことを選んだ自分を、悲しまないように…
…、っ…ぅ、俺達さ、2回目も、そうなんだけど…
ラウールが、必死に…、ダメだって、言ったのに、
聞く耳なんて持たずにさ…
あんなにっ、あんなに、必死だったのに…！」
2回目の記憶は俺にはない。
2回目どころか、今の世界が全部。
でも、話聞いてたら想像できた。
きっと、ほんまに必死やったと思う。
世界が戻ったと知った時、ほんまに良かったって
そう思って、今度は止めなって焦ったはず。
何とか信じてもらおうと、考えて。
でも心のどっかで、みんなやし信じてくれるやろって
そう思ってたと思う。
でも、実際は全然で。
みんながどんな言葉を投げかけたかは知らん。
でも、きっと笑ってたと思う。
何を言うてんねんって、夢でも見たんかって。
ラウールの必死さに気付きもせんと、
呑気に何言うてんねんやろうなってくらいに。
そんで、2回目の世界で俺達が死んだ時
ラウールはどんな気持ちやったんやろうか。
「それでも、俺達を必死に、助けようとして...！
何っ回も、世界を繰り返して...
やっと辿り着けた正解が、自分が死ねばいいって...
そんな悲しいことっ...あるかよ...！！！」
自分が死ぬことを選んだ時、
ラウールは一体何を思ったんやろうか。
みんなの中に、自分は入ってなかったんやね。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 284人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みさ(プロフ) - ぴぴろんさん» コメントありがとうございます！50ページほどあるのを一気なんて…！嬉しいです！他の作品まで！？本当にありがとうございます！ゆっくりにはなってしまいますが、頑張りますのでこれからもどうぞよろしくお願いします！ (11月16日 9時) (
レス) id: 1fb25e0756 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴろん - すごく引き込まれるお話で、一気に最後まで読んじゃいました！！他の作品も全て読ませていただきました！これからも楽しみにしています！！！ (11月15日 21時) (レス) @page50 id: f81a8e6519 (このIDを非表示/違反報告)
みさ(プロフ) - ちいさん» コメントありがとうございます！なかなか更新が滞っていて進まないお話ではあるのですが、楽しみにしていると言ってくださって嬉しいです！これからも頑張りますので、ゆっくりのんびりと待っていただけると嬉しいです！これからもぜひよろしくお願いします！ (11月14日 2時) (レス) @page7 id: 1fb25e0756 (このIDを非表示/違反報告)
ちい(プロフ) - 初めまして。ラウールくんのこういうお話って中々ないので、書いてくださって嬉しいです。お話の内容も凄く引き込まれました！これからも楽しみにしています＾＾ (11月13日 20時) (レス) @page50 id: 55bf2eb683 (このIDを非表示/違反報告)
みさ(プロフ) - あいはねさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいし、幸せの限りです。同時並行なんか無茶か…とも思いましたが、どれも大切な白さんなので、少しづつ大切に書いていきます。長らくお待たせしていますが、これからもよろしくお願いします。 (2022年9月24日 19時) (レス) id: 1fb25e0756 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みさ | 作成日時：2022年8月10日 1時
