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7話 新しい1ページ [黄] ページ36

〜 Side I 〜




「照、話があるんだ。
ちゃんと、聞いて欲しい、大事な話」



いつものふざけた顔は一切ない。
ふっかのこんな思い詰めた顔、
最後に見たのいつだったっけな。

2人でじゃないとダメなんだって
トイレ行くって言って抜けることにした。



「ふざけてないんだ、真面目な話」

「なんも言ってねぇじゃん、何?どしたの」

「照、お願い、力を貸してほしい。
ラウールを、あの子を助けたいんだよ」



話の筋が、全く見えなかった。
化け物の類と遭遇してないのはふっかとラウールで、
夢かドッキリかと笑ってるくらいなのに。

怯えて泣きそうな康二でも、
難しい顔している翔太や舘さんでもなく、ラウール。



「信じ、られないかも知らないけど、」

「___ 俺、信じるよ。
ふっかの言うことなら、信じる。
お前が俺に、こんな感じで冗談言わないって、知ってる」



ふっかは今にも泣きそうだった。



「俺、俺だけじゃっ…ダメなんだ…
ラウールを、助けてあげられないんだ…!」



ふっかが差し出してきたのは、
到底読めそうにない英語だらけの本。
所々か赤黒くなっていて、古めかしい。

その赤黒くなっているのは、もしかして、
なんて野暮なこと聞くのはやめた。



「教えて、俺、何したらいい?」



大丈夫。

俺は、誰かがどん底にいる時に
1%でも顔をあげられる可能性があるなら
何だってするよ、そう決めたから。


絶対に、ふっかの手も、ラウールの手も
みんなの手も、誰一人として離さないから。














『3秒、いや、2秒でいい。
あの子を救う、時間が欲しい』




本を燃やして、投げつける。
そして、部屋の隅にあるポールハンガーを
でかい口目掛けてぶち込んだ。

鼓膜が破れそうな程の断末魔。

驚いて腰を抜かす康二の首根っこを掴みあげ、
目黒と一緒に外へと放り出す。
阿部は佐久間が、翔太は舘さんが引っ張り、
崩れ落ちたラウールは俺が担いで外へと逃げる。


今世紀最大にデカい声で、走れ、とだけ叫んだ。


弾かれたように走り出した俺達は、
とりあえず1階へとかけ下りる。
何度か縺れそうになったし、ほぼ落ちるように降りた。

俺がいた部屋!と叫ぶと、ふっかは
何も聞き返してこずに
先頭を全力で駆け抜けていく。



これが、新しい1歩、大きな1歩になった。

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みさ(プロフ) - ぴぴろんさん» コメントありがとうございます!50ページほどあるのを一気なんて…!嬉しいです!他の作品まで!?本当にありがとうございます!ゆっくりにはなってしまいますが、頑張りますのでこれからもどうぞよろしくお願いします! (11月16日 9時) (レス) id: 1fb25e0756 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴろん - すごく引き込まれるお話で、一気に最後まで読んじゃいました!!他の作品も全て読ませていただきました!これからも楽しみにしています!!! (11月15日 21時) (レス) @page50 id: f81a8e6519 (このIDを非表示/違反報告)
みさ(プロフ) - ちいさん» コメントありがとうございます!なかなか更新が滞っていて進まないお話ではあるのですが、楽しみにしていると言ってくださって嬉しいです!これからも頑張りますので、ゆっくりのんびりと待っていただけると嬉しいです!これからもぜひよろしくお願いします! (11月14日 2時) (レス) @page7 id: 1fb25e0756 (このIDを非表示/違反報告)
ちい(プロフ) - 初めまして。ラウールくんのこういうお話って中々ないので、書いてくださって嬉しいです。お話の内容も凄く引き込まれました!これからも楽しみにしています^^ (11月13日 20時) (レス) @page50 id: 55bf2eb683 (このIDを非表示/違反報告)
みさ(プロフ) - あいはねさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいし、幸せの限りです。同時並行なんか無茶か…とも思いましたが、どれも大切な白さんなので、少しづつ大切に書いていきます。長らくお待たせしていますが、これからもよろしくお願いします。 (2022年9月24日 19時) (レス) id: 1fb25e0756 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みさ | 作成日時:2022年8月10日 1時

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