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「阿部ちゃん」
阿部ちゃんの首筋に手をやる。
「何、考えてるの？」
「な、にも？」
あ、速くなった。
嘘つくとね、脈、速くなるんだよ。
瞳孔も少し開くんだ。
「嘘ついたら、ダメだよ。
変なこと、考えちゃ、ダメだよ」
ほら、また。
瞬きも、多くなるもんね。
「考えて、ない」
阿部ちゃん、ダメなんだよ。
それじゃあ、俺を騙せないよ。
「佐久間くん、しょっぴー、舘さん。
変なこと考えちゃダメだよ？
もし何か見たんだとしたら、幻で、夢だから」
呼ばれた4人がハッと顔をあげる。
ほら、やっぱりこの4人だ。
綺麗な心の人だから、嘘がつけないんだね。
顔に出てるよ、出しちゃダメなのにね。
でも、出てくれてよかったよ。
隠すのが上手いと、こんな風に言えないもん。
「夢、」
うん、夢。と繰り返す。
「大丈夫、ちゃんと、出られるから」
そうだよ、こんな悪夢。
もうこの世界で終わらせるよ。
大丈夫、絶対間違えない。
次こそ、次こそは、みんなを脱出させるから。
こんな歪んだ空間から、世界から、地獄から。
「大丈夫だよ、絶対に」
阿部ちゃんはそうだね、と言ったきり黙ってしまった。
どうしたの？と聞いてくるふっかさんに
なんでもないよって笑って、また3階へと行く。
3階の階段、上がってすぐ右の部屋。
この右の部屋を開けて、みんなで鍵を探す。
佐久間くんが先に鍵のあるクローゼットを開けて。
康二くんとめめが扉横の引き出しから探すから、
それを佐久間くんの元へと送る。
ふっかさんと岩本くんは大丈夫、
2人はベッドの下を探すから。
しょっぴーと舘さんと阿部ちゃんが
部屋の照明と、クローゼット横の壁の絵、
それから、本棚を探すから、そのままで良い。
そして俺は、扉横の引き出しを探す。
化け物は佐久間くんが鍵を見つけた頃にやってくる。
何度目かの世界は、いつもここで
康二くんとめめがお互い庇いあって死んでしまう。
でも、今回は、大丈夫。
「さっきの部屋とおんなじやなぁ…」
「ほんとだね、あっ、佐久間くん小さいし、
めめと康二くんに上見てもらってクローゼット探す？」
「ちょいちょいちょい！聞き捨てならんな！？」
「えっへへ、ごめんごめん。
俺は…この引き出し見ーよおっと！」
「じゃあ、俺らはこっちかな」
うん、大丈夫。
きちんと誘導できた、問題ない。
みんながそれぞれ散っていく。
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みさ(プロフ) - ぴぴろんさん» コメントありがとうございます！50ページほどあるのを一気なんて…！嬉しいです！他の作品まで！？本当にありがとうございます！ゆっくりにはなってしまいますが、頑張りますのでこれからもどうぞよろしくお願いします！ (11月16日 9時) (
レス) id: 1fb25e0756 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴろん - すごく引き込まれるお話で、一気に最後まで読んじゃいました！！他の作品も全て読ませていただきました！これからも楽しみにしています！！！ (11月15日 21時) (レス) @page50 id: f81a8e6519 (このIDを非表示/違反報告)
みさ(プロフ) - ちいさん» コメントありがとうございます！なかなか更新が滞っていて進まないお話ではあるのですが、楽しみにしていると言ってくださって嬉しいです！これからも頑張りますので、ゆっくりのんびりと待っていただけると嬉しいです！これからもぜひよろしくお願いします！ (11月14日 2時) (レス) @page7 id: 1fb25e0756 (このIDを非表示/違反報告)
ちい(プロフ) - 初めまして。ラウールくんのこういうお話って中々ないので、書いてくださって嬉しいです。お話の内容も凄く引き込まれました！これからも楽しみにしています＾＾ (11月13日 20時) (レス) @page50 id: 55bf2eb683 (このIDを非表示/違反報告)
みさ(プロフ) - あいはねさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいし、幸せの限りです。同時並行なんか無茶か…とも思いましたが、どれも大切な白さんなので、少しづつ大切に書いていきます。長らくお待たせしていますが、これからもよろしくお願いします。 (2022年9月24日 19時) (レス) id: 1fb25e0756 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みさ | 作成日時：2022年8月10日 1時
