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「とりあえず散策したけど、見つからんなぁ」
「開いてる部屋も少ないし」
難しい顔をする2人の横で、
ラウールも同じように唸っていた。
「あっ、さっきピアノの音が聞こえたの！
3階からピアノの音が！ね、怖くない？
みんなで一緒に見に行こうよ！」
俺怖いよ、ってふっかに抱きつく。
すると、ふいに佐久間に手を引かれた。
顔怖いよ、と。
翔太も舘様に、落ち着いて、と服を引かれてた。
さっきの記憶を見てしまったからか、
まともにラウールの顔を見られない。
どうすればいいのか、今までどうしてたのか
口を開けば聞いてしまいそうになった。
「ほら、行こ？」
また先頭を歩くラウール。
それに続く俺ら。
嗚呼、ダメだ。
どうしたらいい。
どうすれば正解なんだろう。
院まで出た、気象予報士の資格もとって、
俺はSnowManの頭脳なのに。
頭が回らない。
何が正解なのかさっぱり分からない。
あの記憶は何回目で、
ラウールは一体何回繰り返したんだろう。
阿部ちゃん、と佐久間に背中を押されて、
ようやく重い足が動かせた。
階段1歩1歩が重い。
やけに長く感じてしまう。
なんで、俺は何も出来ないんだろう。
「阿部ちゃん」
ラウールが俺の首筋に手をやる。
思ってたよりずっと冷たいことに驚いた。
「何、考えてるの？」
「な、にも？」
「嘘ついたら、ダメだよ。
変なこと、考えちゃ、ダメだよ」
「考えて、ない」
ラウールは、とっても綺麗な顔で笑う。
「佐久間くん、しょっぴー、舘さん。
変なこと考えちゃダメだよ？
もし何か見たんだとしたら、幻で、夢だから」
呼ばれた4人がハッと顔をあげる。
心臓がどくどくと、鳴り止まない。
何も言ってないのに、記憶を見た4人を
的確に当てて、さらに釘を刺してきた。
何も、してはならないと。
「夢、」
「そ、夢。
大丈夫、ちゃんと、出られるから」
ゆるゆると息が吐き出せた頃に、
ラウールはふっかの右腕に抱きついて、
怖いねって笑ってた。
もう、俺も佐久間も翔太も舘様も黙り込む。
何も言葉を発せなかった。
何回も繰り返した世界なら、
1度くらい俺たちが勘づいたことがあるのだろう。
きっとそれをわかってて、言ってきた。
記憶を辿る手段まではわかってなくても、
記憶を知ってしまったことだけは確かで、
それからの行動を抑制するために、ああしたんだ。
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みさ(プロフ) - ぴぴろんさん» コメントありがとうございます！50ページほどあるのを一気なんて…！嬉しいです！他の作品まで！？本当にありがとうございます！ゆっくりにはなってしまいますが、頑張りますのでこれからもどうぞよろしくお願いします！ (11月16日 9時) (
レス) id: 1fb25e0756 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴろん - すごく引き込まれるお話で、一気に最後まで読んじゃいました！！他の作品も全て読ませていただきました！これからも楽しみにしています！！！ (11月15日 21時) (レス) @page50 id: f81a8e6519 (このIDを非表示/違反報告)
みさ(プロフ) - ちいさん» コメントありがとうございます！なかなか更新が滞っていて進まないお話ではあるのですが、楽しみにしていると言ってくださって嬉しいです！これからも頑張りますので、ゆっくりのんびりと待っていただけると嬉しいです！これからもぜひよろしくお願いします！ (11月14日 2時) (レス) @page7 id: 1fb25e0756 (このIDを非表示/違反報告)
ちい(プロフ) - 初めまして。ラウールくんのこういうお話って中々ないので、書いてくださって嬉しいです。お話の内容も凄く引き込まれました！これからも楽しみにしています＾＾ (11月13日 20時) (レス) @page50 id: 55bf2eb683 (このIDを非表示/違反報告)
みさ(プロフ) - あいはねさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいし、幸せの限りです。同時並行なんか無茶か…とも思いましたが、どれも大切な白さんなので、少しづつ大切に書いていきます。長らくお待たせしていますが、これからもよろしくお願いします。 (2022年9月24日 19時) (レス) id: 1fb25e0756 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みさ | 作成日時：2022年8月10日 1時
