ポートマフィアの飼い犬ですが何か？

裏事情32 ページ33

『日本上陸を計画していた異国の異能集団は特務課からしても頭の痛い問題。そこで貴女にミミックの状態を探らせることにした。…それもポートマフィアのスパイとして。』


「薄給の国家公務員としては割に合わない仕事でしたよ。」


「つまり安吾は二重スパイではなく三重スパイだったってわけか。」


まあそうなるかな？ポートマフィアに特務課にミミックだし。


「…ミミックについて教えてくれ。」


「ジイドと織田作さんが改訳したという情報が入りました。ジイドの異能は見ましたか？」


「…見た。」


「ジイドは神出鬼没で場所を悟らせません。上はこの問題を完全にポートマフィアに投げるつもりです。」


『それまた随分と虫のいい話だねぇ。…でもポートマフィアにしてもあの異能を紛らわせるのは難しいんじゃないかな？まあ勿論…』


「『１つの最下級構成員を除いてだけど。』」


「…俺の能力も奴の能力も数秒先の未来を予見できるに過ぎない。本当のところ勝敗は戦闘と射撃の腕にかかってる。」


「不確定要素は大きいでしょう。異能力の特異点の問題もありますし。」


「異能力の特異点？」


『あ。聞いたことあるよ。例えばね、織田作。そのジイドって人にあったんでしょ？』


「ああ。」


『その人に向けて異能力を使った時変なことが起こらなかった？』


「ああ。起きた。」


やっぱり。


『複数の異能が干渉し合うとねごく稀なんだけど自分でも想像しなかった方向に異能が暴走しちゃう
んだ。』


なんで知ってるかって？政府のコンピューターをハッキングしたからさ☆


特務課のほうが厳重で大変だったけど。


「水無月の言う通りです。…本当は僕がここにきていることすら上からしたら大問題になります。当面は姿を隠さないと…」

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