tune.30 ページ30
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「‥‥改めまして、自己紹介します。
界境防衛機関“ボーダー”から派遣されました、千田Aです」
軽く会釈をしてから、6人の表情を伺う。
瀬名さんはどこかむすっとした顔だ。朱桜くんが「Border··‥!」と呟いた。他の面々はあまり表情は変わらない。
「まず、身分を隠していたことはお詫びします。今回私が派遣されたのは内密の任務だったので。学院側からの指示です」
「Aちゃんのことは、誰が知ってるの?」
「学院の先生方と、生徒会、あとはあんずさんです」
ま〜くん知ってたんだ、と凛月くんがぼそりと溢す。幼馴染に隠し事をされていたことが気に入らなかったのだろうか。
「で? その内密の任務ってのは?」と瀬名さんが急かすように問う。順番に説明するから待って欲しい。
「最近、三門市とその周辺で、警戒区域の外であるにも関わらず門が発生するという異常事態が起こっていました。ボーダーはその理由を突き止めたわけですが、夢ノ咲学院では依然として開いていたことはご存じのはずです。
その理由の調査と、夢ノ咲学院の生徒の護衛───それが、私の任務です」
ここまではいいですか、と尋ねる。全員が肯定の意を示すのを確認して、口を開く。
「その理由というのは、言ってしまえば体質が関係しているんです。詳しい説明は省きますが、その体質によっては近界民を引き寄せやすくなります。
これは生まれ持ったものなので、その人に責任は1ミリもありません。仕方ないことです」
責任はない、仕方ないということをあえて強調する。これはこの先の話に大きく関わるからだ。
「‥‥Aさんが我々Knightsについたのは、その任務が関係しているのでしょうか?」
さすがと言うべきか、朱桜くんは頭の回転が速い。
頷くと、羽風さんが「えっと?」と首を傾げた。「つまりAちゃんはプロデュース科の生徒として転校してきたわけじゃないってこと?」
「はい。どれくらいの期間になるのかもわからなかったので、プロデュース科のテストケース2として学院に入ることが、任務の内容と合わせても一番スムーズで自然だったんです。
そして朱桜くんが言ったように、私がKnightsのそばにいるには新米のプロデューサーとして勉強するという体でいるのが自然だ、と生徒会と設定を作ったわけですね」
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夏向(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます。めちゃくちゃ原動力になります!! (2021年5月16日 22時) (レス) id: d3650b90b8 (このIDを非表示/違反報告)
夏向(プロフ) - れいゆふさん» ありがとうございます。そういったコメントを頂けると作者冥利に尽きます…!! (2021年5月16日 22時) (レス) id: d3650b90b8 (このIDを非表示/違反報告)
りん - とても面白かったです!続きがとても楽しみです! (2021年5月16日 15時) (レス) id: 5a0e3d3105 (このIDを非表示/違反報告)
れいゆふ(プロフ) - めっちゃ好きです!更新楽しみにしております! (2021年5月12日 3時) (レス) id: e48528e707 (このIDを非表示/違反報告)
夏向(プロフ) - 星宙*°さん» ありがとうございます。感想めちゃくちゃ嬉しいです…!のんびり更新の上どこまで続くかわかりませんが、最後までお付き合い頂ければ幸いです^^ (2021年5月11日 22時) (レス) id: fd39a6918d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏向 | 作成日時:2021年3月31日 16時