tune.26 ページ26
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太陽は出ていても、やはりこの時期は寒い。
ぶるりと身震いしながら、もう少し厚着をしてこなかったことを密かに後悔した。
しかしKnightsの面々はレッスンで動いているため結構暑そうだ。汗が冷えると風邪を引くため、都度タオルを渡す。
「凛月くん、大丈夫？」
「‥‥大丈夫じゃない‥‥」
日陰に伏せる彼はかなり怠そうな様子である。
「他のUnitとの兼ね合いもあるのです」と朱桜くんが言っていたため今日は屋外レッスンなのだが、日光に弱い凛月くんには些か過酷だったようだ。この調子じゃ夏はどうするんだろうか。
「何か飲む？」
「じゃあ炭酸‥‥」
具合が悪くても好きなものは普通に摂取できるクチらしい。炭酸ね、と答えつつコートを脱いで凛月くんにかけてやる。寒いが、体調不良の人をこの気温の中そのままにはしておけない。
ちょっと外します、と声をかけて自販機コーナーへ向かう。風が冷たい。炭酸だけだと身体を冷やしそうだし、温かい何かも買っていった方がいいだろうか。
「ん？」
「うわ」
「ちょ、うわってひどいな〜。俺とAちゃんの仲じゃん」
「どんな仲ですか？ 心当たりがありません」
「さすがにお茶奢ったくらいじゃ恩着せがましくはしないけどさ」
というか、名前。どこで聞いたんだ。
羽風さんは「あんずちゃんから聞いたよ」とにこにこしている。
「羽風先輩はこんなところで何してるんですか」
「お、俺の名前知ってくれてるの？ もしかして興味持ってくれた？」
「アイドル科じゃ知らない人の方が少ないんじゃないですか、UNDEAD二枚看板なんて」
言いつつ、紙幣を自販機に挿入した。
炭酸と温かいお茶を手に取ったあと、少し考えて硬貨を入れ直す。ホットのカフェオレのボタンを押し、落ちてきたそれを取り出して羽風さんに差し出した。
「‥‥ん？」
「こないだのお茶の、お礼です」
「え？ いいよいいよ、俺がやりたくてやったことだし」
「じゃあ、これも私がやりたくてやってますので構わず受け取ってください」
「‥‥う〜ん、そこまで言われると‥‥。じゃあ貰おうかな。ありがとうね」
羽風さんはペットボトルを受け取ると、両手で包み込むようにそれを持った。
やっぱり、と内心呟く。指先が赤くなっていたし、彼はジャケットの上にコート類を着ていなかった。
「アイドルなんですから体調には気をつけてください」
「何々、心配してくれてるの？」
「そりゃ、ぺーぺーとはいえプロデューサーですから」
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夏向(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます。めちゃくちゃ原動力になります！！ (2021年5月16日 22時) (
レス) id: d3650b90b8 (このIDを非表示/違反報告)
夏向(プロフ) - れいゆふさん» ありがとうございます。そういったコメントを頂けると作者冥利に尽きます…！！ (2021年5月16日 22時) (レス) id: d3650b90b8 (このIDを非表示/違反報告)
りん - とても面白かったです！続きがとても楽しみです！ (2021年5月16日 15時) (レス) id: 5a0e3d3105 (このIDを非表示/違反報告)
れいゆふ(プロフ) - めっちゃ好きです！更新楽しみにしております！ (2021年5月12日 3時) (レス) id: e48528e707 (このIDを非表示/違反報告)
夏向(プロフ) - 星宙*°さん» ありがとうございます。感想めちゃくちゃ嬉しいです…！のんびり更新の上どこまで続くかわかりませんが、最後までお付き合い頂ければ幸いです^^ (2021年5月11日 22時) (レス) id: fd39a6918d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏向 | 作成日時：2021年3月31日 16時
