tune.41 ページ41
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「王さまはそもそも恋愛ソングなんて外部発注以外で滅多に作らないんだよねぇ。あんたが来てから急に増えたんだけど。キーワード全部恋愛関係」
「そんなこと言われましても」
「ぶっちゃけあんた達付き合ってんの？」
「そんなわけないじゃないですか」
「じゃあ何、王さまの気持ち弄んでるの？」
どこか苛立ちが滲んだ声で瀬名さんは私に詰問し続ける。だが全てお門違いだ。私とレオさんはそんな浮ついた関係ではないし、私が彼で遊んでるわけでもない。
「あのアホはバカ素直だからさぁ、やましいことしてるんだったら───」
「だから違います！」
はっとして「すみません」と謝罪する。落ち着け私。とにかく、誤解を解かなければ。
「‥‥私とレオ先輩はそんな関係じゃありません。そんな関係になることもありません」
「‥‥‥なんでそこで断言するわけ」
「あの人に問題があるって言ってるんじゃないです。これは私の気持ちの問題ですから」
「あんたの気持ちぃ？」
瀬名さんは睨めつけるように私を見た。彼を納得させるには、少しこちらの心の内を開示しなければならない。大いに不満だが、必要経費だと割り切ることにする。
「‥‥‥私、‥‥“天才”ってやつが嫌いなので」
何かを言われる前に続けて投げつける。
「理由は私に才能がないからです。
嫉妬ややっかみだと思うでしょう、その通りですよ。私はどんな才能であれ、才能がある人間が嫌いです。そして才能があるのに努力しない人間はもっと嫌いです。
捻くれてるとか、性格が悪いとか、思ったでしょう。このことを言ったのはあなたでまだ1人目です。非難されるとわかっているのにぺらぺら喋りません」
彼の雰囲気が険悪になる。そりゃそうだろう。「天才」と呼ばれる者が身近にいるのだから。そしてその彼を守っているのが私なのだから。
「Knightsの皆さんや、Trickstar、UNDEAD、紅月、それにfineみたいな‥‥この学院でそれなりに名前が知れてるユニットは才能があって、それでいて努力していることは知っています。無名のユニットでも同様です」
「‥‥でもあんたは、嫌いなんだ？」
「だって才能あるやつ羨ましいじゃないですか」
「‥‥清々しいほど隠さないね、あんた」
「もう話してしまったんだから隠しても仕方ないでしょう」
罵ってくれていいですよ、と自嘲気味に笑う。性格が悪いのは百も承知だ。だけど私はマゾではない。ぼろくそに言われるとわかっていて他者に話す程馬鹿でもない。
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夏向(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます。めちゃくちゃ原動力になります！！ (2021年5月16日 22時) (
レス) id: d3650b90b8 (このIDを非表示/違反報告)
夏向(プロフ) - れいゆふさん» ありがとうございます。そういったコメントを頂けると作者冥利に尽きます…！！ (2021年5月16日 22時) (レス) id: d3650b90b8 (このIDを非表示/違反報告)
りん - とても面白かったです！続きがとても楽しみです！ (2021年5月16日 15時) (レス) id: 5a0e3d3105 (このIDを非表示/違反報告)
れいゆふ(プロフ) - めっちゃ好きです！更新楽しみにしております！ (2021年5月12日 3時) (レス) id: e48528e707 (このIDを非表示/違反報告)
夏向(プロフ) - 星宙*°さん» ありがとうございます。感想めちゃくちゃ嬉しいです…！のんびり更新の上どこまで続くかわかりませんが、最後までお付き合い頂ければ幸いです^^ (2021年5月11日 22時) (レス) id: fd39a6918d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏向 | 作成日時：2021年3月31日 16時
