鈴と、笑顔と、両想い。【土方十四郎】

両想い23. ページ24

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「そんなの、そいつの［ピー］潰してやればそれで万事解決じゃないですか」

「‥‥‥‥」


店にやって来た妙ちゃんに「悩みがあるなら私に相談してみませんか？」と言われ、全てを打ち明けてみた。

そして返ってきた解決策はそれ。


「‥‥‥‥あのね、妙ちゃん、それを臆することなくできるのは男勝りな妙ちゃんくらい‥‥‥」

「え？ 何ですって？ 私がゴリラ？」

「いいえ違いますごめんなさい」


一応彼女よりも年上なのだが、完全に尻に付かされている気がする。


「でもねぇ、そういうしつこい男って、大体女が弱いと思ってやってるものなんですよ。だったら一発お見舞いしてやったらどうですか？

どこぞのゴリラストーカーはいつまでたっても懲りませんけどね」

「そ、そう‥‥‥」


近藤さんが真選組局長でありながら妙ちゃんのストーカーであることはもう江戸に住んでいる者には周知の事実である。


だが近藤さんは堂々としたストーカーであり、普通のそれとは訳が違う(こそこそしていなければいいというわけではないが)。


「お客さんかもしれないから変に刺激するのもよくないかなって」

「それはそうですけど‥‥‥このままじゃどんどんエスカレートしていくばかりですよ？

やっぱり銀さんの言う通り、土方さんに相談してみた方がいいと思いますけど」

「うーん‥‥‥妙ちゃんもそう思うの？」

「はい。ストーカーに対して恋人って使徒に対するエヴァみたいなものですから」

「その例えがよくわからないかな」


やはりそれが一番いいのかもしれない。

自分で何とかしようとして、それが逆の効果を発揮してしまったら元も子もない。


「彼女が何も言わずに苦しんでるのって、男の人には結構堪えることだと思いますよ」

「妙ちゃんってやっぱり、」

「え？ 誰がゴリラですって？」

「まだ何も言ってないよ」

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