一目惚れ07. ページ8
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「……クソ、近藤さんがあんなこと言うから……」
アイツを変に意識してしまう。これも全部近藤さんが悪りーんだ。
団子を口に運びながら、2日前のことを思い出す。
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「……で、結局のところどうなんだ?」
総悟を追い出し、俺が卒業するしないの話をさておいたところで、そう聞かれた。
「………どうって」
「Aちゃんだよ。
……お前、明らかにあの
「──────‥‥‥。
………否定は、しねェ」
たっぷりの沈黙のあと、ようやくそう認める。
正直俺もよくわかっていない。
これがその……いわゆる「恋」なのか、はたまたそんな大層なものではなく単なるミーハー的なアレなのか。
「他の男と同じ理由で“すずかや”に通いつめてる訳じゃないってのは俺でもわかるぞ」と俺の胸中を見透かしたようにそう言う。
「もっと自分に素直になれ。
……自分の気持ちを閉じ込めておいても後悔するだけだってのは、……トシが一番わかってるだろ?」
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(……自分に素直っつってもな……)
茶をすすりながら、ふと、自分が鈴鹿Aを目で追っていることに気づく。
ハァ、とため息をつきながら突っ伏す。
これではまるで本当に。
────たまに聞こえてくるアイツの笑い声は、まるで鈴を転がしたようで、心地いい。
(………って、変態かァァァ!!)
と1人悶えていると近くの客に変な目で見られ、一旦落ち着く。
「Aちゃん みたらし2つ」「Aさんお茶のおかわりください!」「鈴鹿さん 饅頭1つ」
客の注文する声を聞いて、ふと思う。
……俺は、名前でアイツを呼んだことがない。
もう何度も来ているが、向こうから何にするか聞いてくれるので、「呼んで注文」をそもそもしたことがない。
「……………A」
一声かけただけなのに、この騒々しいなか俺の声がわかったらしい。
肩がぴくんとはね、小走りにやって来る。
単に名前を呼びたかっただけで何を頼むかまで気がまわらず、
「……えー…と、Aのおすすめで」
「は、はいっ」
注文しただけなのに笑みをこぼす。
しかもそれが他の客に向けるものとは違うと来た。
「…………ハァ。俺はガキかよ」
1人呟き、再び突っ伏した。
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夏向@テスト期間は低浮上(プロフ) - 悠夏さん» さ、最高‥‥?!今度は作者に都合のいい幻覚が‥‥(笑)!とても嬉しいです!!作者は読者様のコメントに支えられてえられています!これからもよろしくお願いします! (2017年8月7日 8時) (レス) id: 2e5a8262c2 (このIDを非表示/違反報告)
悠夏(プロフ) - ついに、ついにですね\( ´ ▽ ` )/!もうヤバいっすわ、この作品!最高過ぎます\(//∇//)\あ”あ”あ”胸が締め付けられるようだー\(//∇//)\! (2017年8月6日 20時) (レス) id: acb4966279 (このIDを非表示/違反報告)
夏向@テスト期間は低浮上(プロフ) - 芽吹香さん» さ、最高だなんて……!キュンキュンしてもらえて嬉しいです(*^^*)これからも応援よろしくお願いします! (2017年7月25日 8時) (レス) id: 2e5a8262c2 (このIDを非表示/違反報告)
芽吹香 - ぁぁぁぁぁぁぁぁぉぁすごいです!最高です!もうすごいです!(語彙力WW)たくさんのいい気持ちがドクンときます!(語彙力WWW)応援しています! (2017年7月25日 0時) (レス) id: df69819376 (このIDを非表示/違反報告)
夏向@テスト期間は低浮上(プロフ) - 美空さん» ありがとうございます!現在絶賛テスト中でレスをするので精一杯です……。月曜には更新しようと思ってるので、それまで気長にお待ち下さい(*^^*) (2017年7月5日 13時) (レス) id: 2e5a8262c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏向 | 作成日時:2017年4月29日 21時