一目惚れ32. ページ33
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「あっ ママっ!!」
「佑馬! やっと見つけたっ‥‥!」
突然声をあげた男の子と、それに駆け寄る女性。
どうやら見つかったらしい。
「本当にすみません、うちの佑馬がご迷惑お掛けして‥‥」
「あぁ、大丈夫です」
土方さんがその女性と話しているとき、
「ねえ」
「ん?」
「ありがとう!」
男の子──佑馬は、にっこりと笑った。
「もう迷子になっちゃダメよ。
それと、
────私達くらいの人は、まだおばさんおじさんじゃないからね」
そう耳打ちすると、「じゃあお姉さんだ!」と。
‥‥あぁ、純粋って素晴らしい。
よしよしと頭を撫でてやる。
「じゃーねー!」と手をぶんぶん振り、女性と手を繋いでいなくなる佑馬。
「ちょっと寂しいですね。やんちゃな子だったけど」
「そうだな。
‥‥肩車なんてしてたし、はたから見りゃあ家族に見えたかもなァ」
その言葉に、心臓が大きく鳴る。
「──だったら、嬉しい‥‥です、ね」
途中から恥ずかしくなって、だんだんと小さくなる言葉。
そのとき、不意に頭に重みを感じる。
「‥‥っ、」
その手はすぐに下ろされたものの、私が赤面するには十分すぎて。
「‥‥つ、次‥‥行く、か」
「は、はい‥‥」
もう自然に繋げた手も、突然恥ずかしくなって、───ほら、土方さんの触れたところが急に熱を持つ。
「‥‥えーと、お、お化け屋敷!行くか!」
「え、でも土方さん苦手ってさっき‥‥」
「だ、大丈夫だ!今克服した!!」
そう言って歩き出す。
────その顔が、私と同じように真っ赤だったことは、土方さんが半歩先を行っていたので気づけなかった。
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夏向@テスト期間は低浮上(プロフ) - 悠夏さん» さ、最高‥‥?!今度は作者に都合のいい幻覚が‥‥(笑)!とても嬉しいです!!作者は読者様のコメントに支えられてえられています!これからもよろしくお願いします! (2017年8月7日 8時) (レス) id: 2e5a8262c2 (このIDを非表示/違反報告)
悠夏(プロフ) - ついに、ついにですね\( ´ ▽ ` )/!もうヤバいっすわ、この作品!最高過ぎます\(//∇//)\あ”あ”あ”胸が締め付けられるようだー\(//∇//)\! (2017年8月6日 20時) (レス) id: acb4966279 (このIDを非表示/違反報告)
夏向@テスト期間は低浮上(プロフ) - 芽吹香さん» さ、最高だなんて……!キュンキュンしてもらえて嬉しいです(*^^*)これからも応援よろしくお願いします! (2017年7月25日 8時) (レス) id: 2e5a8262c2 (このIDを非表示/違反報告)
芽吹香 - ぁぁぁぁぁぁぁぁぉぁすごいです!最高です!もうすごいです!(語彙力WW)たくさんのいい気持ちがドクンときます!(語彙力WWW)応援しています! (2017年7月25日 0時) (レス) id: df69819376 (このIDを非表示/違反報告)
夏向@テスト期間は低浮上(プロフ) - 美空さん» ありがとうございます!現在絶賛テスト中でレスをするので精一杯です……。月曜には更新しようと思ってるので、それまで気長にお待ち下さい(*^^*) (2017年7月5日 13時) (レス) id: 2e5a8262c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏向 | 作成日時:2017年4月29日 21時