轟くん、その４４ ページ4
次の日。朝からなんか視線を感じるなーとは思っていたけど。
けどさ。
何この修羅場。
うっかりしてた、その視線こそが伏線だったなんて。
「あなたさ」
「ハイ」
相手の声にビクリとしたけど、すぐに平然を装った。
こういう場では、白けていた方がいいって私の脳内辞書に書いてあった。
深呼吸して、今の状況を説明しようか。
私は、今朝呼び出されて壁ドゥンされています。壁ドゥンね。壁ドンじゃないよ、そんな軽いもんじゃない。オーラが違う。
そして、目の前には結構可愛い人(怒ってるから眉間のシワが酷いけど)。
見た目の年齢は、たぶん私と同じくらい。
見覚えの無い顔だから、少なくともヒーロー科ではない。
私の推測はこうだ。
目の前のこの人が轟くんに惚れて、振られて、私に八つ当たり、と。
当たってたら嬉しい。
「あの人の何？」
「あの人とは轟くんデショウカ」
「他に誰がいんのよ」
「デスネ」
ははぁさてはこの子、私を恋敵だと思ってるな？
だとしたら勝ち目はないよ、私が。
負けるに決まってんでしょうが。こんな可愛い子を振るやつがいるか？
……そうだった、轟くんがいたね。
「聞いてんの？」
「聞いてます私はただの友達ですそんなに怒ると可愛い顔が台無しですよ許してください」
「は？何言ってんの、バカじゃないの？」
(最後ちょっと痛いセリフ言ってみたけど案の定引かれたな)
早口プラス一息で言うと、バカって言われた。
そして引かれた。
「フン、まあいいわ。あなたに用があるのよ」
だろうねじゃないとこんなことしないよ！
喉まで出てきた言葉を必死に飲み込んだ。
こんなこと言ったら殴られるな。
「用、とは」
「私ね、あの人に告って、付き合ってくださいって言ったわけ。そしたら彼ね」
そこまで言うと、この人は息を吸った。
「彼ね……」
私は思わずごくり、と唾を飲んだ。
「私を振ったのよ！？」
「…………へ」
そうでしょうね！！
あれか、この人は自信過剰なわけか。
「……そっすか」
「そしたら今朝！彼と歩いてるあなたを見たの！」
「いやだから、友達だって……」
「そう言って私が狙いを定めていた人を取っていった女が何人いると思う！？ひとりふたり、さんにんよにん……」
それから私は、朝のHRが始まる十分前までその人の愚痴を壁ドゥンされながら聞いていた。
……いやいや粘着質すぎるだろ。
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長月始(プロフ) - わかりました (2017年9月2日 15時) (
レス) id: 14d941bd84 (このIDを非表示/違反報告)
ぱしゃん - 長月始さん» それでも出来ないようなら、お手数ですが、一番下の作者名のところから入ってください。すみません。 (2017年9月2日 15時) (レス) id: 4636ddc446 (このIDを非表示/違反報告)
ぱしゃん - 長月始さん» 時間を置いてからじゃないとダメみたいですね…。ぜひ時間を置いてから、3もよろしくお願いします！ (2017年9月2日 15時) (レス) id: 4636ddc446 (このIDを非表示/違反報告)
長月始(プロフ) - この小説の続きを見るを押したんですけど、続きにいかずに2に戻ってしまいました。 (2017年9月1日 21時) (レス) id: 14d941bd84 (このIDを非表示/違反報告)
ぱしゃん - 詢麻さん» ぎゃああああホントですかありがとうございますうううう禿げて倒れます(?)ありがとうございます。 (2017年8月30日 20時) (レス) id: 4636ddc446 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱしゃん | 作成日時：2017年8月11日 11時
