【鬼滅の刃】鬼殺の隊士専門の遊女

＊26話＊ ページ26

「炭治郎は鬼になった禰豆子を人間に戻すために鬼殺隊に入った。で、善逸は、借金の肩代わりをしてくれた人が育手だったから剣士になったと。そして伊之助は山で育ったのね」



2人は頷く。



「なんだか善逸とは境遇が少し似ているかもしれない」



「Aさんも男に騙されて借金を！？」



「そっちじゃないよ。私も、捨て子だったんだよ」



「え…」



目を丸くする2人に微笑みかける。



「親の顔すら知らないの。赤子の時に雨の中に捨てられてたのを、育手の鱗滝さんに拾われてね」



「だから、初めて会った時に俺のこと知ってたんですね」



「うん。鱗滝さんは、新しい子が来ると教えてくれるの。それに、鬼を連れた隊士志望なんていないからね」



「じゃあ、名前は…？」



「この名前は鱗滝さんが付けてくれたの」



変な髪色でも、瞳でも、鱗滝さんは決して見捨てたりはしなかった。ちゃんと中身で見てくれる人。



私は鱗滝さんが大好きだ。



「Aさん…」



「もう、そんな顔しないで」



悲しそうな顔をする2人の頭をくしゃくしゃと撫でる。



「今はそれなりに幸せだから。貴方達だってこうして来てくれるし」



家族は欲しいけれどね



そう言って笑うと、左手を炭治郎、右手を善逸に取られた。



「「俺と結婚しましょう！」」

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