ジェイドに惚れ薬をかけようとしたらマレウスにかかってしまった話

＊38話＊ ページ41

彼は私の頬に手を添える。




え、なにこれ？どういう展開！？




「り、リドルくん…？何か悪いものでも食べた…？拾い食いしちゃった…？」




「キミじゃあるまいし、そんなことはしないよ」




「私もしないんだけど！？」




「3秒ルールと言って落ちたタルトを食べた女の子は誰だったかな」




「うっ…」




それは私だ…なんでもない日のパーティーでやって、リドルくんに首はねられたんだった…。




でも、だいぶ前なのによく覚えてたな…。




「…キミは、キミ自身が思う以上に魅力的だ」




「は、はいぃ！？」




なにいきなり！？怖いんだけど！？




でも、リドルくんは真剣な顔をしていて…




ケイト先輩かトレイ先輩に何か言われたのか…？




「だ、だから…その…ボクは…」




「ボクは…？」




「…なんでもない」




え、なんでもないの！？結局！？




思わずガン見すると、頬をつねられた。




「い、いひゃい」




「…それより、薬はできたのかい？」




リドルくんの手が離れる。ヒリヒリする頬をさすりながら答える。




「ううん、まだ」




「…そうか。ボクにもなにか手伝えることがあれば言ってほしい」




「…？え、本当にリドルくん…？本物？？
はっ！まさか、ケイト先輩…！？ケイト先輩の『舞い散る手札(スプリット・カード)』にトレイ先輩が『薔薇を塗ろう(ドゥードゥル・スート)』してる…！？」




そうだ、そうに違いない。じゃないと、リドルくんがこんなに優しいわけない…！




そう言うと、リドルくんは顔を真っ赤にして




「…余程首をはねられたいようだね」




「はっ！？えっ！？リドルくん本人！？」




「『首をはねろ(オフ・ウィズ・ユアヘッド)！』」




ガチャン、と首にかかった首輪は、間違いなくリドルくんのユニーク魔法だ。




「ちょ、ごめん、謝る！謝るから…！首輪外して…！」




「キミに優しくしたボクが間違いだったよ。よく反省するといい」

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