ジェイドに惚れ薬をかけようとしたらマレウスにかかってしまった話

＊24話＊ ページ25

何を隠そう、私は純潔の乙女。




ユニコーンとだって仲良くなれるし、純潔の乙女の血が必要な魔法薬だって自身の血で作れる。




それくらい、純潔だ。




初めての恋に落ちたのも去年だし…。




つまり何が言いたいかと言うと、私は恋愛経験がない。ほとんどない。




だから、デコチューなんてされればパニックになるのは当然で…




魔法薬を作るどころではなくなってしまった。




いや、作らないとなーっては思ってるんだよ？ドレッサーの前で材料の選別はしたんだよ？




でも、鏡に映る私の顔は、茹でダコかってくらい真っ赤で…




なんかもう恥ずかしすぎておかしくなりそうだ。




きょ、今日のところはこの辺にしておこう…。




課題…は朝からしよう、そうしよう。こういう時は何もかも忘れて寝るに限る。




しかし、布団に入っても思い出してしまい眠れない。




他にもっと考えなきゃいけないことがあるのに(婚約のこととか)、頭が回らない。




あーあー、なんで移動魔法の時はなんともなかったのに、今はパニックになってるんだ。




…マレウス先輩の唇柔らかかったなぁ…。




って、何考えてんの私ぃ！？




ま、マレウス先輩は惚れ薬のせいであんな感じになってるんだから！




効果を消せれば元通りだから！




そう…そうよ、マレウス先輩は魔法にかけられているだけ。




それがなくなれば、私のことなんて微塵も…




「好きじゃ、なくなる…」




震えた声は暗闇に消えていった。




な、なんで…なんでちょっと悲しいなって思っちゃってるの、私…！




あ、あれだ、マレウス先輩みたいな美形にちやほやされることなんてないから、勿体ないなーって思ってるんだ。そうに違いない。




だって私はジェイドくんが好きだし！




…ジェイドくん…話したいなぁ…。もっと仲良くなりたいなぁ。

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