女囚人の恋愛事情【金カム】 (ページ4)

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私が畑の中心で叫んでいると1人の看守がやって来た。

｢…ったく、毎日毎日懲りねぇな｣

『門倉さん！』

門倉看守部長。今日はこの人が畑の見張り番だ。
看守さんであるが私の話を聞いてくれる少し優しい人だ。

『門倉さん…どこかに良い人いないですか？』

｢良い人って言ってもなぁ…男は皆悪い狼さんだぞ。アンタ好みの男なんていねぇよ｣

『だったら門倉さん付き合って？』

｢馬鹿な事言わんでいいから、さっさと作業しろ｣

『は～い』

ここに入ってからもう少しで1年が経つ。
外も寒くなり、そろそろ雪が降る頃だ。

この作業が終わればまた寒い牢屋に入れられるんだ。それもむさ苦しい数人の男達と。

その中には私含め26人の囚人がいる。
同物同治を信じる外科医の家永や詐欺師の鈴川……
他にもあの新撰組副長の土方歳三もいた。

ここにいた当初は怖い人達だと思ったが、徐々に話す度心を開くようになった。

だが、1人だけまだ話したことの無い人物がいる。

それは｢のっぺら坊｣

頭部全体を含む皮膚と顔面の耳や鼻が剥脱、欠損して異様な風貌の為、皆はそう呼んでいる。

いつも端に居座っていて異様なオーラを漂っている。今は足の腱を切られて動けないらしい。

まぁあの顔みて関わりたいと思いたくないし、今まで通り相手にしなければいいかなと思っていたが

ある日、彼が私含め同房の囚人達に声をかけてきた。