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｢鶴見中尉達に、釧路の谷垣から小樽のアイヌのお婆さんへまた電報が来てました。杉元たちと合流したようです｣
｢よし…そろそろ我々も網走へ向かおうか｣
いよいよ私達も網走監獄へ向かうことになった。
でも現在いる所は小樽。網走まで結構な距離がある。
｢あの………何で行くんですか？｣
｢船で行くんですよ、Aさん｣
｢え！？船！？｣
｢もしかして船酔いしやすいですか？｣
｢い、いえ…大丈夫なんですが…｣
鯉登少尉が心配なんだけど…船酔いしやすい人だから…
私はフッと鯉登少尉の方を見ると、彼も気づいたのか小声で｢大丈夫じゃき｣と返してくれた。
こうして私達は船で根室へ向かった。
｢ハァ…｣
｢大丈夫ですか？鯉登少尉｣
｢あぁ、すまんな｣
やっぱり鯉登少尉は船酔いをした。
私もそんなに船に乗ったことないから少し気持ち悪い。
｢あっ、鯉登少尉。鶴見中尉が写ってる写真ありませんか？｣
｢そりゃあるが…やらんぞ｣
｢いや、いらないです。少し借りていいですか？｣
｢あぁ、少しだけだぞ｣
私は鯉登少尉に鶴見中尉が写ってる写真を借りた。
その写真は日露戦争前に撮った数名の兵士と一緒に撮ったもの。私は自分が持っている鯉登少尉の写真の顔の部分だけ切り取り、鶴見中尉以外の兵士の顔の上に鯉登少尉の顔を貼り付けた。
｢鯉登少尉、どうですか？｣
｢こ、これは……素晴らしい作品じゃ！｣
｢クソコラです｣
｢クソコラ？｣
｢はい。まだ写真があるのなら作りますよ｣
｢いいのか！？｣
｢えぇ｣
こうして私はクソコラを作るのに夢中で船酔いのことは忘れていた。
何枚かクソコラを作り鯉登少尉へあげると大喜びしてた。本当に鶴見クラスタだ。
｢ありがとなA！｣
｢い、いえ…｣
少し頑張りすぎたな。疲れちゃった。
私は目がウトウトしてきた。
｢眠いのか？｣
｢えっ、だ、大丈夫ですよ｣
｢少し横になれ｣
鯉登少尉は私の腕を引っ張り、膝枕してくれた。
｢到着までしばらくある。少し休め｣
あれぇ？膝枕って女性が膝枕して男性が寝るのが多いけど、これって逆転？まぁいいか。
｢すみません。それではお言葉に甘えて…｣
｢あぁ、おやすみ｣
根室湾
｢ハァ…｣
｢鯉登少尉殿、まだ船酔いが治まりませんか？｣
｢早くまた戦争が起こらないものだろうか｣
｢……………(クソコラ写真見てる)
…宿へ行きましょう｣
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作者名：コロッケ | 作成日時：2019年5月21日 10時
