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あれから鯉登少尉は宿舎に戻ってきても、私に口を聞くことは無かった。
鯉登少尉は1人黙々と鈴川聖弘の刺青人皮を剥いで縫っている。後にせんが甘いって鶴見中尉に言われるんだけどな。
その翌日私達は小樽へ向かい、鶴見中尉と月島軍曹に会った。
鯉登少尉はそわそわしながら、客間へ向かったが大丈夫なのかな……
私は遅れてお茶を置きに客間の襖を開けると……
｢失礼します。お茶をお持ち……｣
｢そういうところだぞ！鯉登少尉。｣
｢すんもはん！すんもはん！すんもはん！｣
あぁ怒られた…
｢鶴見中尉殿、鯉登少尉は昨日一生懸命やってたんで少しは褒めてあげてくださいよ。｣
｢そうかね。だったら……鯉登少尉、お前は旭川での任務を外れろ。｣
｢！！？？｣
｢小樽で囚人狩りに参加するのだ。｣
｢！！！！｣
｢精進します。と言ってます。(面倒くさい)｣
うわぁ、ほんと鯉登少尉って鶴見クラスタだねぇ。
でも鯉登少尉は旭川から離れるというと私は1人でいるっていうこと？なんか寂しくなるな……
｢それと、Aくんも同行して頂きたいのだか。｣
｢え！？私もですか！？｣
まさかの展開でびっくりした。
旭川でスローライフだと思ったら、まさかの同行ですか？
｢だが鶴見中尉どん、Aがいても何も戦力がないですよ！と言っています。｣
｢分かっておる。でもAくんにも何か役に立つ事があるはずだから同行を願いたい。Aくん頼む。｣
｢……私でよければ、よろしくお願いします。｣
なんかよくわかんないけど、鶴見中尉たちと同行することになった。やった！
｢鯉登少尉、ちょっとこっちに来なさい。
ほら見てみろ、この新聞の記…近い近い！｣
｢私も見ていいですか？｣
｢あぁ、いいとも…ってAくんも近い！
網走の脱獄犯刺青の24人のひとり…稲妻強盗が動き出した。｣
｢刺青人皮をエサにすれば罠にかかるかもしれませんね。｣
｢｢私の刺青人皮を使ってください｣と言ってます｣
｢ふー、本物をエサにして万が一奪われてしまったらどうするんだ！そこは当然江渡貝くぅんの贋物を使うに決まっているだろ。そういうところだぞ鯉登少尉！｣
｢きえええええっ(猿叫)｣
間近で猿叫聞いたけどうるさい…うん。
鯉登少尉は混乱して畳をバリバリしだした。
｢すんもはん！すんもはん！｣
｢コラッなんで畳をばりばりするんだ鯉登。ばりばりやめなさい。｣
バリバリ
｢お茶をぶっかけろ月島。｣
｢私もいいですか。(うるさいから)｣
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作者名：コロッケ | 作成日時：2019年5月21日 10時
