料理人の胃に穴が空くまで 【男主】

２年前……雄と雌の扱いの差―２― ページ25

ジンオウガの本当に大切な人はAで。
自分の一生を、自分の初めてを捧げたいのもA。
それは永遠に揺れる事は無い。
苦しい事も大変な事も全部溜めこむAを、ジンオウガは自分なりに助けたかった。

「もう寝たら？
　明日はクエストに行くんだから。」
「……A…。」

ジンオウガを気遣うA。
でも、その気遣いを自分に向けて欲しい。


――――
―――。


ジンオウガは、遺跡平原行きのガーグァタクシーにゆられながらティガに話した。
今日はティガと二人でケチャワチャ捕獲。
Aとゴアは別のクエストに行ってしまった。

「ティガはAの事…どう思うのよ。
　一番付き合いが長いんでしょ？」
「んー…長いっちゃ長いけど…………なぁ…。
　溜めこむ癖は昔からあったなぁ。住んでた村が滅ぼされたあたりから我慢する癖ついちゃってたし。」

正直、Aは自分の事をあまり話さない。
Aが何を想って、何を考えてるのか分からない。

「でも、Aが“大丈夫”って言ってんなら大丈夫じゃね？
　Aが大丈夫じゃない時は、それなりの行動してるし。」
「………つまりは？」
「時間が経てば分かるって事。
　そんなすぐに理解できる事は無いんだからなっ。」

２年前……雷狼竜ハンター→←２年前……雄と雌の扱いの差

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す