十六日 ページ17
「お前らが早くに反省してくれれば、こんな事にならなかったのに...」
尾形が雪の地面を見つめながら小さくぼやいた。
「そうですけど...自己紹介を提案して時間を長引かせたのは宇佐美上等兵じゃないですか」
「なら、犯人は宇佐美か」
「は？なんでよ
そもそもこいつ等が...」
二階堂と上等兵二人組が雪かきをしながら口喧嘩をするのを横目に、その他の者は真面目に淡々と作業を進めていた。
「夏は、これが畑仕事に変わるんですか？」
森畠は横にいる野間にそう問いかけた。
「まぁな。
北海道だからって涼しいと思っていたら痛い目見るぞ」
「えぇ...そうなんですか？
やだなぁ」
森畠がその話を聞いて少し暗くなる。
そして三島は二人の会話に口を挟んだ。
「北海道は本州よりは雨が少ないないからね。
畑仕事の時に雨に降られちゃたまったもんじゃないからなぁ」
「本州の兵団の方が気の毒ですね」
そう小話をしながらザクザクと雪を掻き分け、一通り終わった所で一同は兵舎の中へ入った。
「昼飯だー」
我々は昼食をとるため濡れた靴やら手袋やらを掛け、部屋へと入った。
森畠はこの部屋に来た時に布団の上に広げた荷物をまとめて地面へと置いた。
四、五人入れるその部屋に三人しかいないもので、かなり部屋は広く空間を贅沢に使っても誰も文句を言わなかった。
「ふぅ...疲れたァ...」
宇佐美がそう言って背を伸ばす。
兵舎の中は外より暖かく、段々と手の感覚が戻って来た。
それを感じながら森畠は手を動かす。
「なんだよ。まだ寒いじゃねぇか
火鉢とかねぇの？」
あとから入った尾形はまたボヤきながら、まだ上着を脱がずに毛布にくるまった。
「じゃあ、もうすぐしたら飯食いに行こう...！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 64人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
赤青ほとゝぎす(プロフ) - 忍者氏さん» コメントありがとうございます！はいっ勇作さんも大好きで大好きで予定より早めですが登場させました！あの笑顔って営業スマイルって呼ばれてるんですね…！（伝わってるのがすごい）笑顔がぎこちない尾形上等兵も大好きでこちらも登場させました！ (2019年2月13日 18時) (
レス) id: e1ece6f77f (このIDを非表示/違反報告)
忍者氏(プロフ) - こんばんは！勇作さんでましたね…!尾形の営業スマイルが思い浮かびます笑今回のお話もとても好きです( ´∀｀) (2019年2月13日 0時) (レス) id: 5510d14e32 (このIDを非表示/違反報告)
赤青ほとゝぎす(プロフ) - 忍者氏さん» こんばんは！私ニコニコ初めてだったんですが、まさか.....反応してくださるとは思ってもいませんでした(--;)そして、最近最新なくてすみません。勉強の野郎が邪魔をしてくるんです.....w (2019年2月4日 22時) (レス) id: e1ece6f77f (このIDを非表示/違反報告)
忍者氏(プロフ) - めろんMiiです！お久しぶりです。ニコ生面白かったですね…僕もなにかコメントすればよかったです笑 (2019年2月4日 19時) (レス) id: a461264cdc (このIDを非表示/違反報告)
赤青ほとゝぎす(プロフ) - めろんMiiさん» ありがとうございます！(●´▽`●)やっぱり男前のキャラはカッコよく登場させなければと言う使命感が働きまして...^^ (2019年1月4日 14時) (レス) id: e1ece6f77f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
