十一日 ページ12
部屋から出ると先程の月島軍曹が外で待っていてくれた。
「次は...部屋だな」
月島軍曹はひとつ溜息を吐くと再び歩き始めた。
すると月島軍曹は森畠に質問をしてきた。
「森畠は剣が上手いと聞いたが、流派とかは何なんだ?」
「はい。自分の流派は北辰一刀流で、義祖父が習わせてくれました。軍曹殿も何か剣術を習っておられるのですか?」
「いや、特にない。唯、凄く腕が経つと聞いて少し興味があってな」
「恐縮です。」
森畠がそう礼を言うと、月島は「着いたぞ」と言いひとつの部屋の前で止まった。
「同室者は.....確か」
月島軍曹がそう言いかけるとその部屋の扉が開き、中からとある人物が出てきた。
その人物には両頬に小さくホクロがあった。
「あ、軍曹殿。この子が例の新人ですか?」
そのホクロの人物は軽快にそう口にした。
「そうだな。階級は違えど、仲良くやってくれ」
月島にそう言われ、ホクロの人物の階級を確認し、森畠は息を呑んだ。
上等兵!?
森畠は驚き、目を見開いた。
自分みたいな奴が、一番下の階級である二等卒が、上等兵殿と同じ部屋!?
何故っ!?
次々と溢れ出る疑問に森畠は混乱した。
「悪いな。最近は兵を増やしていて部屋が足りないんだ。」
月島のその言葉は混乱している森畠の耳にはとどいてはいなかった。
「こっちは宇佐美。そして恐らく奥に居る筈の人物が尾形百之助だ。見ての通り何方も上等兵だ。」
...上等兵殿が...二人...?
森畠の頭は更に混乱した。
「まぁ、何かあったら言ってくれ」
「え...」
月島軍曹はそう告げるとさっさとどこかへ行ってしまった。
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赤青ほとゝぎす(プロフ) - 忍者氏さん» コメントありがとうございます!はいっ勇作さんも大好きで大好きで予定より早めですが登場させました!あの笑顔って営業スマイルって呼ばれてるんですね…!(伝わってるのがすごい)笑顔がぎこちない尾形上等兵も大好きでこちらも登場させました! (2019年2月13日 18時) (レス) id: e1ece6f77f (このIDを非表示/違反報告)
忍者氏(プロフ) - こんばんは!勇作さんでましたね…!尾形の営業スマイルが思い浮かびます笑今回のお話もとても好きです( ´∀`) (2019年2月13日 0時) (レス) id: 5510d14e32 (このIDを非表示/違反報告)
赤青ほとゝぎす(プロフ) - 忍者氏さん» こんばんは!私ニコニコ初めてだったんですが、まさか.....反応してくださるとは思ってもいませんでした(--;)そして、最近最新なくてすみません。勉強の野郎が邪魔をしてくるんです.....w (2019年2月4日 22時) (レス) id: e1ece6f77f (このIDを非表示/違反報告)
忍者氏(プロフ) - めろんMiiです!お久しぶりです。ニコ生面白かったですね…僕もなにかコメントすればよかったです笑 (2019年2月4日 19時) (レス) id: a461264cdc (このIDを非表示/違反報告)
赤青ほとゝぎす(プロフ) - めろんMiiさん» ありがとうございます!(●´▽`●)やっぱり男前のキャラはカッコよく登場させなければと言う使命感が働きまして...^^ (2019年1月4日 14時) (レス) id: e1ece6f77f (このIDを非表示/違反報告)
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