三日目 ページ4
「ん？なんだい？」
遙さんは、不思議そうな顔をして首を傾げた。
森畠は少し声が詰まるが、思いきって言う。
「自分がここにいる事は...兄ちゃんには黙っていて欲しいんだ」
「え...」
遙の目は段々と光を失い、絶望に変わっていく。
出来るだけ傷を付けないように配慮したつもりだったがどうやら失敗したようだ
「どうして？」
真剣な目で遙は問い詰める。
まぁ、そうだろう。こんな遠くの北海道まで来て、兄に土産話もなしじゃ真面目な遙のプライドが許さないことぐらい分かっていた。
「だって、遙さんも見てたでしょう？あんなに喧嘩したのに...今更」
「...」
遙は黙り込んだ。
まぁ、昔から仲がよかった兄と自分が本気の殴り合いで喧嘩しているのを目の当たりにしたら、そりゃあ驚いたろうな。
そんな事を考えながら森畠は遙の目をじっと見つめる。すると遙さんは覚悟を決めたように自分の目をにらみつけた。
「理由にはなってないけど、あなたが言うならよっぽどの事なんだべな
まぁ、今更引き止めても行くしかたないんでしょうけど」
......
「まぁ、うん。
自分もなんの為に断ったのかわかんなくなってきたなぁ。
勝手に自分だけ生き残るのは恥だとでも思っているのかね」
「あら、軍人ぶっちゃって」
「そりゃそうだよ。舐めないでよね」
そんな小さいふざけ話をしていると、船から森畑を呼ぶ声が聞こえてきた。
「あ、かっちゃん呼ばれてるわよ」
「本当だ行かなきゃ。見送りありがとうございます。遙さん」
そう言って遙に背を向けると遙は進む森畠を呼び止め風呂敷の中を漁った。
「えーっと...あ、そうそうこれを渡したかったんだよ」
「...？」
そう言われ、渡されたのは高そうな万年筆と小さな手帳だ。
地元ではこの種類の万年筆を買うためにはかなりの時間働かなければならないのに...
そのことに対して申し訳なく思ったり、そして感謝したりしながら森畠はソレを受け取る。
「じゃあねかっちゃん。
勝てとは言わないけど、さっき言ったみたいに死ぬんじゃないよ。こんな若い命が消されてたまりますか。」
遙は子声で森畠にそう伝えると、その後船に乗った森畠を期待の篭もった眼差しで見つめながら見えなくなるまで見送った
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ゆきみ - 続きがすごく気になります…なんと言いますか…宇佐美や尾形を始めとした兵士の生活というか…もっと見たいです(語彙力喪失) (2022年6月8日 22時) (
レス) @page10 id: 13c3ce09ac (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ＆チェリー - 赤青ほとゝぎすさん» いえいえ。無理しない程度に頑張って下さい！ (2019年8月27日 18時) (レス) id: fed8378344 (このIDを非表示/違反報告)
赤青ほとゝぎす(プロフ) - さくらんぼ＆チェリーさん» えっ....(///∇///)ゞ嬉しすぎて一瞬で目が覚めましたw(寝起き)コメントありがとうございます！更新さらに頑張りますっ！ (2019年8月15日 7時) (レス) id: e1ece6f77f (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ＆チェリー - ほんと好きです。応援してます！！ (2019年8月15日 4時) (レス) id: fed8378344 (このIDを非表示/違反報告)
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