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数日後





「お邪魔します」

「どうぞ、お上がり下さい」


保住が初めて部屋へやってきた。
深くかぶった帽子とサングラス、マスク
芸能人だ…
芸能人が私の部屋に…


胸が高鳴った。





「うわぁ…」


リビングへ進むと、保住が声を出して驚いた。



「あっあの、この時間ですし、もしかしたらお食事まだかと思いまして…もしお済みでしたら、どうぞお気になさらず、片づけますので」


焦ったようにしゃべるA。
体をAの方へ向けると、いきなり抱きしめた。



「えっ」

「ありがとう!!すっごく嬉しい!めちゃくちゃお腹減ってる!!つかめーっちゃ美味そう!!」


キャッキャ言いながら少し飛び跳ねた。



「よっ良かったです…」

「並木さんもまだ食べてない?」

「はい」

「はぁ、良かったぁ。一緒に食べれるっ」

「…はいっ」


一瞬見惚れてしまった。

食事中はずっと笑顔で、仕事の話もせず、何度も私の料理をほめてくれた。
男性経験の少ない私は、男性にこんなに優しくされたのが初めてで、好きになるのに時間はかからなかった。



「あぁ〜美味かったぁ。大満足ぅ、幸せ…」

「それは良かったです。ゆっくりされてて下さい」

「僕もやるよっ」


すぐにソファーからキッチンへ移動し、隣に立った。



「こういうの、ずっと夢だったんだぁ」

「夢ですか?」

「うんっ。奥さんの隣で、一緒に皿洗いしたりするの」

「そうなんですね…っ」

「あっごめん、奥さんとか言っちゃった。ただ、こういうのが憧れだったんだぁ」

「いいですね、家事を手伝ってくれる旦那様」

「そう?じゃあ僕と結婚してくれる?」

「へっ?!」


皿をシンクに落としてしまった。



「わっ。大丈夫?!」

「あっすみません、大丈夫です。」


皿を拾って洗った。



「ごめんね、びっくりさせちゃったね。でもね、実は一目惚れだったんだ。」

「え?」

「一目惚れ。並木さんに」

「え…冗談ですよね」


照れ笑いした。



「え…本当だよ?信じられない?」

「信じられません…そんな、私なんて」

「ああ、自分に自信無いんだ。だったら僕が自信つけてあげるよ。こっち向いて」


肩に手を置くと、優しくキスをした。



「信じてくれた?僕は本気だし、好きな人には自信持ってほしいな」


真っ赤になって数回頷いた。



「よしよし可愛いねっ」


頭を撫でた。





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作者名:のまじゅ♪ | 作成日時:2023年10月31日 19時

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