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「はい、松岡さんが大好物だから極めたいんですよ」
「あ、そうなの?禎丞の為に?」
「はい」
「じゃあいつか本人に作ってあげないとね!」
「えっ、あ…それは、わかりません…へへっ」
「え〜せっかく練習してるのに」
「ふふっ」
「照れちゃって可愛いなぁ〜」
島崎がAの頭を撫でると、江口と西山が驚いた。
「(何今の、自然すぎる…)」
「(Aさんも赤くなって嬉しそうだし…)」
悔しそうに呟く二人。
お酒が入り酔ってきた様子のA
「…そうそう、だから俺らも大変なんだよね。本当にそんなつもりなくても相手が受け取った印象のまま記事になったり噂が独り歩きしちゃってさぁ」
島崎が笑顔をまじえながら不満を話していると
「芸能人の方って、テレビではよく笑ってて明るいのにプライベートでたまたま見かけて声かけたら暗かったとか、感じ悪かったとか、裏表があるって言われるじゃないですか。」
「そうそう、そうなんだよね〜」
「でもよく考えたら私とか一般人だって会社と家では多少たりとも違いますから、プライベートまで仕事のテンションでいられませんよ。」
「そうだよね!?」
「はい。プライベートに声かけて少し話しただけで何がわかるのって思いますし、それでショック受けるなら声かけないほうがいいですよね…。
本当にファンなら見るだけにとどめておいた方がいいと思います。」
うんうん、と頷いている島崎と猫。
「ファンだから話してみたいとか、気持ち伝えたいとか、あるとは思いますけど、芸能人なんだから一般人と違うとかいつも愛想よくしないといけないんじゃないのって言う人は考えてほしい。
芸能人だって私たちと同じ人間だってこと。自分がされて嫌な事はしないのが一番です。」
いつの間にか全員がAの話を聞き入っていた。
「すみません、変な空気に…」
「いや、びっくりしたよ…嬉しいけどね!?」
江口が笑うと、全員笑った。
「そうだこの部屋カラオケできるらしいよ。誰か歌って〜」
「僕歌う〜」
酔った花江がマイクを握ると、失恋ソングをしんみり歌った。
「あ…えっ!?」
Aの顔を見た西山が驚いた。
「ちょ、花江くん!!」
Aにおしぼりを手渡した島崎が叫んだ。
「Aちゃん大丈夫??」
真礼が隣に来て背中を撫でた。
江口も反対側隣に来た。
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作者名:のまじゅ♪ | 作成日時:2021年12月29日 23時