10.-芸能人- ページ15
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翌日
特番の収録へ来ていたA。
通された楽屋で待っていると、隣の楽屋から随分と大きな声の会話が聞こえてきた。
ふと天井を見ると、隣と筒抜けになっていた。
なるほど…だからこんなにはっきり会話が聞こえるんだ。
「…そうそう、だからうるさくてね」
「泣き声でしょ？そういう趣味？」
「俺色んな種類好きだよ。でもうるさいのはちょっと」
「それってどんなの？」
「走り回ってんの」
「あ、真夜中の運動会的な」
「そう、盛りついてんの」
「あはははっ」
これって江口さんと西山さんの声だ
挨拶に行かないと…
部屋を出ようとすると
「可愛い子いる？」
「うん、まあ可愛いよ」
「走り回って」
あっ
壁側に戻ってきたA、大きな声で叫んだ。
「うちも夜な夜な激しい大運動会してましたよ！大変だったんですから〜
でも去勢してもらいました！あまり毎日激しいと眠れないですからねぇ」
飲んでいたコーヒーを同時に吹き出した江口と西山。
「(ゲホッ、ゲホッ)」
むせている江口の背中をさすって笑っている西山。
あれ…？
何か変なこと言っちゃったかな…？
慌てて隣の楽屋へ行きノックすると、西山が出てきた。
「おはようございます！たまたま隣の楽屋だったんです、お二人の会話が聞こえてきたので思わず話しかけちゃいました。」
中へ入り笑顔で江口に頭を下げた。
「え、もしかして会話丸聞こえだった…？」
「はい！さっき来たので最初は何話しているかわかりませんでしたが、ペットの話ですよね？」
「あっ、そ、そう！そうペットの話！」
焦って誤魔化す江口に、口元を隠して笑う西山。
「江口さんは何飼ってるんですか？あれ…？でも、今飼ってないですよね…」
首を傾げたA
「あ、や！実家だよ！実家に、犬！」
「ああ！そうなんですね、私も実家に猫がいますよ〜可愛いですよね」
「そ、そうだね…可愛い、うん可愛いんだよねぇ！」
「西山さんも飼われてるんですか？」
笑っていた西山が咳払いをした
「僕は飼ってない…よ」
「そうなんですね、じゃあ江口さんのペットの話ですかぁ。すみません、聞くつもりはなかったんですけど、じゃあ私は戻りますね！」
「う、うん、じゃあね〜」
江口が手を振った。
Aが出ていくと…
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作者名：のまじゅ♪ | 作成日時：2021年12月29日 23時
