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「…もう、めんどくさいな、」
放課後、私は先生に片付けを頼まれて理科室へと向かった。
自分の教室から少し離れた端の方にある理科室が見えてきた
(…暗、てかなんで私なの、)
理科室は暗幕が掛けられていて、よく見えなかった
中に入り、電気を付けようと、スイッチがある場所に向かった。
すると突然、
「っ、へ なにっ!?」
急に動かなくなる身体に、背中に感じる圧迫間と体温。
「みーつけた」
「…っ、」
暗くても分かる、心地良い声と、甘い香水の匂い
「ふっかざわ、せんぱいっ」
…深澤先輩に、後ろから抱きしめられていた。
「…なんですかっ、やめてください」
必死に逃げようとしても、中々離そうとはしてくれない。
深「ねえ、目黒と仲良いっけ?」
急に耳元に響く低い声に、腰に巻かれた腕の体温に背筋がゾクゾクする。
「…なんで、めぐろ、」
深「目黒が女に興味持ってるのなんて珍しいからさー」
「A、あいつのこと好きなの?」
「別にそんなんじゃ…」
深「そっかーまぁAは俺から離れられないもんね」
意味がわからなくて彼の方を見てしまった。
その瞬間、唇に暖かい感触が触れた
「〜〜〜っ、ぅ」
下唇を噛まれ、舌が入り込んでくれば体の力が抜けて、深澤先輩の手が後頭部を抑えて動こうにも逃げられない。
「っ、…」
どれくらい時間が経ったのだろう、
気づけば、彼のブラウスを握っていた手で彼を押し、唇が離れた。
深「…キスだけでへばっちゃうのかあい」
「続きはあとで、ね」
私の頭をポンとして、深澤先輩は教室を出ていった。
私にぽっかりと空いた寂しさを埋めてくれる彼を、手放すことは出来なかった。
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作者名:Sua. | 作成日時:2022年8月17日 23時