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そんな風に思いながら紅茶を入れてたら、
『………ざーわーくん。』
ちょっとだけムスッとしながら寝室から戻ってきたA。
虫さん
「なーに?」
俺はもう、怒ってないよアピールをするために優しく呼び掛けに答える。
だってそうでしょ?何だかんだ喧嘩してたって自然と彼女の分まで温めてる僕は、この子のことが好きだからだもの。
『…仲直りしたい、ぎゅーして。』
ほら、また可愛いところが見つかった。
虫さん
「さっきはごめんね、あの服似合ってたよ。」
そう言ってギュッと抱き締めてあげれば、
『…ん、私もクソ眼鏡堅物変態理系虫野郎なんて言って…ごめんね。ほんとは好きだよ、ざわくん。』
ん?!、さっきそこまで言われたかや?
まぁ、細かいことは良いか!
虫さん
「紅茶入れるの、Aも飲むでしょ?」
『うん、ミルクティーにしたいから牛乳温めなきゃ。』
虫さん
「そう言うと思って、もう温めてあるよ。」
『………そう言うとこ、好き。//』
僕がそう言えば、やっとニコッとした表情に戻った彼女。
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ピンポーン!♪
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虫さん
「あれ?てつや?」
『あら、もう1個カップ温めなきゃね?』
突然の来客は、うちのリーダーで。
てつや
「うわー!高級ミルクティーじゃん!飲む飲むー!♪」
虫さん
「飲む飲むー!じゃなくて、何しに来たの?」
てつや
「あーそうそう、コレ渡しに来た!」
虫さん
「あー!レザーね、はいはい。」
てつやから渡されたのはレザーの生地。
今度企画で、レザーで粋なモノを作るってやつをやろうってなって、
ん〜、チョッキとか作ったら粋だな、なんて思って注文ボタンを押したのを思い出す。
それから、てつやと俺と彼女の3人で紅茶を飲みながら世間話をしてた時、
てつや
「なんかさー、似てるね2人。(笑)」
なんて言われた。
虫さん
「何言ってるの?」
『えー?』
僕達がそう聞き返すと、
てつや
「だって今、スプーン回す仕草まるっきり一緒だったからさー。うんうん、やっぱり同棲すると似てくるもんかねー?」
なんて、冷やかしてくるから
虫さん
「そうだとしたらてつやと同棲した女は部屋がゴミだらけになるね。」
そう返せば、確かに!なんて納得してるてつやをよそに、
もしかして、チョッキを作ろうなんて思ったのも服を作るくらいお洒落好きな彼女との影響なのかな、なんてくすぐったい気持ちになる。
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作者名:ぴーさん。 | 作成日時:2018年11月5日 15時