. ページ46
× × ×
「――そうですか、ようやく……」
人の耳を震わせるかのような声に、配下であろう男はごくりと唾を飲みこんだ。
シャン、と錫杖が音を鳴らし、それはどこか機嫌が良さそうであった。
「ようやくここまで来ましたね。……私の可愛い可愛い――」
虚ろな男だった。何もない、空虚な男。
「――原初の龍が」
百年に一度に生まれると言われる原初の龍。その虚っぽな男は眼前に広がる闇を見上げた。
「殺してしまえばよかったものを」
「……そうか、あいつが」
「遂に現れたのか、Aがこの町に」
「Aを止められるんは、一体誰なんじゃ」
「あの時俺は……どうして、」
右眼に誓ったのだ。全てを救ってくれたあの人を助けられなかったから。だから決めた。
今度は助けるのだと。取りこぼさないように。
「――ア、あ、ああぁ……眼が……熱い、眼が……ぅあああ……!!」
赤い滴が、ぼとりと、滴り落ちた。
205人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルアルア(プロフ) - 無影灯さん» コメントありがとうございます!更新が遅くお待たせしてしまうことも多いかと思いますが、これからも応援していただけると嬉しいです! (2020年3月29日 17時) (レス) id: 013413cedf (このIDを非表示/違反報告)
無影灯(プロフ) - 見入っちゃいました…とても素敵なお話でした!更新応援してます! (2020年3月23日 21時) (レス) id: 26d889b496 (このIDを非表示/違反報告)
ルアルア(プロフ) - 神月さん» コメントありがとうございます!ありがたいお言葉本当に感謝します...相変わらずの低浮上ですが、読者様のお言葉を励みに頑張ってまいります!! (2018年8月30日 10時) (レス) id: 61b26fbf84 (このIDを非表示/違反報告)
神月(プロフ) - 読み応えがすごくあります!次の話がとても気になります!面白いです!作者様のペースで、更新頑張ってくださいね。応援してます! (2018年8月27日 6時) (レス) id: 52a5891399 (このIDを非表示/違反報告)
ルアルア(プロフ) - ginさん» コメントありがとうございます! 更新は相変わらず遅いですが、面白いと思っていただけるような作品を目指して頑張って行きます! (2018年7月8日 9時) (レス) id: 013413cedf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ルアルア | 作成日時:2018年4月7日 3時