デレデレ男子と情愛。 ページ23
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「……やっぱ先輩と同じ大学にしようかなあ」
その日は青山先輩の大学に来ていた。
理由は単純で、教授の事情により午後の講義がなくなった青山先輩と
お昼ご飯を食べるためだ。
因みに本日は国民の祝日であるため、高校生の私は休みである。
ダラダラと家で過ごすはずだった私の休日に舞い込んできた魅力的な誘いに
私はうきうきで先輩の大学までやってきたのだ。
相変わらずの綺麗な校舎と、キラキラと輝いて見える在学生達を見ると
否が応でもキャンパスライフに憧れを抱いてしまう。
思わず己の口から漏れ出た言葉に、隣に居た先輩が控えめながら笑みを零した。
「はは、大学もAと通学できたら毎日楽しいだろうね。
そうだ。昼、折角だから学食食べて行こうか?うちの大学、在学生以外も食べれるよ」
「え、やった、食べたい!」
思わず手放しで喜んでしまった。
子どもっぽかっただろうか。青山先輩が流れるように頭を撫でてくる。
子ども扱いするなと思いつつも、こうなることを予測して
毎回先輩と会うときは髪を巻くだけにしてしまうあたり、自身でも絆されていると思う。
「ふふ、楽しみだなあ、ね、何がおすすめですか」
「……生姜焼き、も、唐揚げも美味しいけど……サラダにトマト入ってるから無理かも」
「……いつの話してるの、」
恐らく、私が小さい頃トマトが食べれなくて号泣していた時のことを言っているのだろう。
今は……まあ苦手な部類ではあるが、
食べられることを知っているのに、たまにこうして意地悪を言うことがある。
因みに、こういう時に口角をあげてにやりと笑うちょっと悪そうな顔が好きだ。
なんというか、贔屓目に見ても先輩は顔が良い。
『ごめん』と少しも反省してなさそうに
笑いながら謝る彼の腹にぽすんと手刀をかましてやった。その顔には騙されないぞ。
わざとらしくお腹をさする先輩に私が思わず笑みを零したときだ。
「……あれ、青山くん?」
後ろから聞こえた、高いのによく通る声。
振り返ると、そこには”綺麗なお姉さん”と
形容する他ないほど、美人な女性の方が立っていた。
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もぐもぐいちご(プロフ) - realさん» 返信遅れてしまってすみません;;realさんコメントありがとうございます!イラストも見ていただけて本当に嬉しいです…!これからも不定期ではありますが更新していきますのでよろしくお願い致します…! (2023年4月24日 2時) (レス) @page39 id: 30f259b2ae (このIDを非表示/違反報告)
real(プロフ) - イラストの方から来ました!めっちゃきゅんきゅんしました(*´-`)作者さまのペースでの更新楽しみにしてます! (2023年4月10日 12時) (レス) @page3 id: 3d1cb866c0 (このIDを非表示/違反報告)
もぐもぐいちご(プロフ) - 朱まぐさん» 返信遅れてすみません…!男の子視点、ヒロインは好きな子なのでとにかくかわいく見えるように意識してたのでそこに言及して頂けるの本当にめちゃめちゃ嬉しいです…!コメントありがとうございます!これからも拙文ではありますが楽しんで頂けると幸いです! (2022年12月11日 12時) (レス) id: 30f259b2ae (このIDを非表示/違反報告)
朱まぐ(プロフ) - 初めまして、こんばんは。男の子全員素敵です!9ページ目では佐藤君目線になってヒロイン可愛いと思ってしまいました!笑読んでて癒されました☺︎素敵な作品ありがとうございます。無理せず作者様のペースで頑張ってください! (2022年12月5日 22時) (レス) id: 0c936a9b54 (このIDを非表示/違反報告)
もぐもぐいちご(プロフ) - かんずめさん» コメントありがとうございます!下でも似たようなことを書いたのですが己の生み出したキャラたちを好きと言って頂けるの、本当作者冥利に尽きます…!はちゃめちゃに嬉しいです、これからも拙い文ではありますがお付き合い頂けると幸いです…! (2022年11月16日 20時) (レス) @page22 id: 30f259b2ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もぐもぐいちご | 作成日時:2022年10月30日 17時