二口堅治 ページ9
妄想題:ラブレター
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「二口おはよ」
二口「はよー…って、なあ山田」
「なんでしょう」
二口「それなに」
教室に入るなり二口が指差すのは私の手にある1枚の便せん。
「なんだっていいじゃん」
二口「連れねえなあ。まさかラブレター?」
「……」
二口「………マジ?」
席に向かって歩く私に「山田にもついに春が…」とお腹を抱えながらついてくる二口。
二口「いつ渡されたんだよ」
「下駄箱に入ってた」
二口「誰から?」
「分かんない。名前書いてない」
表にも裏にも差出人の名前はなくて、綺麗な字で山田先輩へ。とだけ書いてある。
二口「先輩へってことは1年か...。中身なんて書いてあんだよ」
「え、二口も見るの?書いた子に失礼すぎない?」
二口「俺が山田に相応しい男かどうか吟味してやるよ」
「何それいらない..」
聞く耳持たずの二口は後ろに回って手元を覗き込んでくる。心の中でごめんねと謝り手紙を読んだ。
ー明るくて笑顔が可愛い先輩のこと、入学した日から好きでした。付き合ってください。もしOKなら今日の放課後、屋上入り口の階段に来てください、待ってます。ー
「ほんとにラブレターだった...」
二口「…だな」
「初めてもらった…感動…。」
二口「どーすんだよ返事」
読み終わっていつまでもぼーっとする私に「OKすんの?」とちょっと険しい顔で聞いてくる二口。
「うーん、まず誰かも分かんないしなあ。私後輩に知り合いいないもん」
二口「じゃあ行くな」
「え、でもかわいそ、」
二口「かわいそうって気持ちで付き合う方がかわいそうだろバカ」
めずらしく正論を言われて何も言い返せない。
二口「…俺今日部活オフなんだけど」
「え、うん」
二口「途中まで一緒に帰ろうぜ」
「なんでまた」
二口「そいつが逆恨みしてストーカーしてくるかもしれねえだろ」
「そんなことないでしょ」
二口「いいから!先に帰ったらアイス奢りな」
「勝手に決めないでよ!ねえ!」
.
行くんじゃねえよ。って意味?
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「むしろ二口がストーカー...」
二口「はあ!?ふざけんな!」
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作者名:もぐ | 作成日時:2017年8月11日 0時