予報外れ ページ10
「雨だ」
「大雨だねぇ」
午後の授業中に降ってきた雨は、今日の予報にはないものだった
放課後を迎える頃には大雨で、折りたたみ傘や置き傘の人は
さっさと帰り、ない人は学校から借りるか雨が止むのを待つしかなかった
「部活休みになる?」
「筋トレとかあるし、休みにはならないかな。早く終わるだろうけど」
じゃあ待っとくね、と雪代さんは言い残して教室を出た
潔もそれに返事をして、部活の用意を持って出ていった
当の俺は傘がなく、雨が止むまで、最悪弱まるまで待つしかない
教室で提出期限の近い課題をして止むのを待った
*
*
「…お、おはよう」
「……潔?」
部活は?と聞こうとしたが、時計を見るとあれから3時間近く経っており、
課題をしている途中で寝落ちしたことに気がついた
彼は何しに来たのか聞けば、忘れ物を、と
自分の机の中に折りたたみ傘をしまった
「え、雨止んだ?」
「え?まだだけど、もしかして傘ない?使う?」
「傘2本あんの?なら有難く借りるけど、」
そう言うと、そんな感じ、と歯切れ悪く答えた
この感じは、雪代さん絡みだと知っている
しかし彼女は教室を出たっきり戻ってきていないと思う、と言えば
目星はついているらしい
*
*
「いたいた」
「! 世一、おつかれ」
流石、と言うべきか、1発で彼女の居場所を当てた
彼女は図書室で勉強をしていたらしい
彼と会話していたため、流れで着いてきてしまったが、
…これはお邪魔だったかもしれない
そう思い、彼に傘のお礼をして帰ろうと思った時だった
「世一傘ないでしょ?私が入れてあげましょ〜!」
「サンキュ、助かるわ」
彼女は鞄からシンプルな折りたたみ傘を取り出し、上機嫌に図書室を出た
「…あれ、潔、」
「あ〜そうそう、部活の荷物で重いからあんま荷物増やしたくなくてさ、
帰りに降ったらAに入れてもらってんだよね」
「私は世一の傘係なんだ〜」
今日は自転車置いて帰らなきゃね〜、と彼女は嬉しそうに言った
彼もそれに相槌を打って、玄関へと向かった
「じゃ、ありがと山田」
彼も、彼女と同じく"そういう所"があるのだ
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え!?(プロフ) - レミエル・カイザーさん» 分かります…!isg攻めというか、isg夢というか、isgが本当に尊くて………… (5月22日 23時) (レス) id: 9dc36d9fcc (このIDを非表示/違反報告)
レミエル・カイザー - わかってくれますか!isgは攻めでも受けでもいいんですよ!!まず世一という個体がいるってのが!!! (5月11日 14時) (レス) @page7 id: 20866609ad (このIDを非表示/違反報告)
え!?(プロフ) - レミエル・カイザーさん» isg夢、良いですよね……… コメント大丈夫です!全く嫌ではありません、むしろコメントを頂けて同じisg夢が好きな方がいると思うと嬉しいくらいです ありがとうございます~! (5月11日 1時) (レス) id: 9dc36d9fcc (このIDを非表示/違反報告)
レミエル・カイザー - 返信ありがとうございます。isg夢好きです!あと、コメントするの大丈夫か聞き忘れてしまってすみません、いやでしたか? (5月9日 11時) (レス) @page7 id: 20866609ad (このIDを非表示/違反報告)
え!?(プロフ) - レミエル・カイザーさん» ありがとうございます!TT isg夢、更新停止が多いのが悲しくて自分用に書き始めたものですが、頑張りたいと思います! (5月8日 14時) (レス) id: 9dc36d9fcc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:え!? | 作成日時:2023年4月30日 4時