6 (side.Ritsu) ページ7
ある日の昼休み。
俺はガーデンテラス近くの中庭の木陰で寝ていた、はずだったのだが日の当たり方が変わったせいか、段々と顔に直射日光が当たり始めたので流石に起きた。
木陰に逃げて、不意に向こうのガーデンテラスを見るとそこにはAとセッちゃんがいた。
昼食をとっているようだ。
「(珍しい。あのセッちゃんがねえ〜…)」
最近は当初と比にならないほどセッちゃんはAに甘くなってきている。
Aは職人気質なところがあるし、それがうまくセッちゃんとハマるのかもしれない。
Aもとても楽しそうで、ニコニコしながら食事を口に運んでいる。
それをみて俺は少し苛立ちを覚えた。
「…？」
…なんで今俺はAを見てイラっとしたんだろう。
自分で自分がわからなかった。
「…なんで、」
「あ！凛月！こんなところにいたのかよ。お前声楽の課題まだ出してないだろ、椚先生呼んでたぞ〜？」
「あ〜、ま〜くんだあ」
自分が先ほど感じた苛立ちに対する答えを見つけられないまま、俺はやってきたま〜くんに引きずられていった。
＊
「(うわあ、くまくんがあそこからめっちゃ見てくるんだけどぉ…言っとくけどこっちからも丸見えだからねぇ？あんなに不機嫌そうな顔しちゃって…別に取ったりしないからそんなに睨むのやめてよねえ)」
「瀬名先輩、どうかしましたか？」
「ん〜ん、なんでもないよお」
続く
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作者名：麻辣 | 作成日時：2021年3月6日 0時
