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主「……私は、FWには相応しくない」
大穴を横目にチームの輪から離れる
吹雪も、勝てなかったことが辛いのか
皆が集まる場所から遠ざかって行った
プルルルル…
未登録の番号から電話がかかってきた
エイリアから抜けた時に買い替えたため
私の電話番号を知っている人は数少ない
その場にいた姉さんだけなのだ
主「……誰だ」
ヒ「やぁ、久しぶりだねA。さっきの試合
見させてもらったよ」
主「悪趣味な奴だな。ハッキングか何かで
調べたんだろうが、そんな回りくどい
ことなどせずに直接来たらどうだ？」
ヒロトは何処かで雷門を監視し続けて
私のこともお父様に伝えたいるだろう
何をしていても筒抜けの状態か…
ヒ「冷たいな。僕は君のシュートを見た瞬間、
安心と同時に心を踊らされたよ。以前より
威力が増して正確だ」
エイリアにいた頃の方が施設は完備され
洗練された訓練が出来ていたはずだ
それにも拘らず、雷門に来てからの方が
シュートも確実性も上がっているらしい
心に燃え盛る何か、ここに来てから実感
することが多くなったのは事実だったが
主「賞賛は必要ない。要件があるなら言え。
もしないのなら、二度と私に関わるな」
ヒ「戻って来て、って言うのも無駄なこと？」
きっと、エイリアは私を追い続ける
雷門イレブンに迷惑をかけることも
増えてくることだろう
彼らは、一言で言い表すと良い奴らだ
その良心を利用しようとしていること
それが一番、心苦しいことではある…
主「……無駄なことだな。お前達を裏切った
ことは悪いと思っているが、私より先に
裏切ったのはお前達だ」
だからと言って、私はここから離れない
エイリアを止めるためならは何でもする
例え、雷門イレブンを傷つけたとしても
私にはやらなければならないことがある
ヒ「また振られちゃったな。難しいね…。
君のことは諦めないよ」
主「……哀れだな」
プツッ…と、静かに通話を切った
回線が切れる感覚を手で感じながら
いつものように空を見上げてしまう
夜でなくては星達は輝くことはない
強い光によって掻き消されてしまう
輝こうとしても輝かないんだと…
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作者名：美鈴愈 | 作成日時：2019年1月31日 15時
