ワールドセイバーのスパイはセレディの妹 part８

惚れた弱み ページ3

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気を失ったAはエゼルダームのコントロールポッド近くにある ソファーに寝かされていた。



ｷｮｳｼﾞ｢A…。｣



さらっ と彼女の髪の毛優しく撫でるように触るキョウジは らしくないと思いながらも Aを心配していた。




ｷｮｳｼﾞ｢真実を知ったら お前は壊れんのか？｣




―――真実。それは セレディが本当の兄ではないということ。

そして セレディがAを利用できる道具としか思っていないことだ。



A｢んっ… んぅ｣


ｷｮｳｼﾞ｢A｣



A｢キョウ、ジ？ あれ？ここは… 確か私 放送室で お兄ちゃんと一緒に真実を…｣



やっと目を覚ましたAは首を抑えながら 起きると まだふらつくのか 足取りがよくない。


ｷｮｳｼﾞ｢まだ座ってろ。寝ちまったんだよ、最近糖分とってなかっただろうが｣



A｢そうだっけ… お兄ちゃんには悪いことしちゃったな。｣


ｷｮｳｼﾞ｢…｣



Aは知らない。セレディが実の兄ではないことを知っているキョウジは 複雑な気持だ。




《定刻となりました。 これよりセカンドワールドを起動します。》



A｢ウォータイム でなくちゃ… 早く司令室に行かないと お兄ちゃんに怒られちゃう｣



ｷｮｳｼﾞ｢無茶するんじゃねえ。俺が連れてってやる。｣



A｢なんか 最近 キョウジ 優しいね。｣



｢なんで？｣と聞くAに対し キョウジは何も答えなかった。

それもこれも惚れた女の弱みかもしれない。そうキョウジは思っていたからだ。






****




そして屋上では... 綾部に裏切られたゲンドウが悔しそうに唇を噛み締めていた。

すると入り口に綾部が現れる。



ｹﾞﾝﾄﾞｳ｢綾部！｣



綾部｢おいとまを頂きにあがりました。もはや 若旦那様にお仕えすることが できなくなりましたゆえ…。｣



ｹﾞﾝﾄﾞｳ｢いつからだ？ いつから俺を裏切っていた！｣



怒りを露にするゲンドウだが綾部はいっさい動じない。




綾部｢お生まれになるずっと前から 私はワールドセイバーに 忠誠を誓っておりました。

磯谷家の財力と 政治力を利用するために 身分を偽り お仕えしてまいったのです。｣



ｹﾞﾝﾄﾞｳ｢最初から騙していたのか。｣



綾部｢お許しください。私はAお嬢様の執事。ですが 後悔はしておりません。

我々は様々な場所に潜み 時が来るのを待っておりました。そして ついにその時が来たのです。

我々がロストエリアを制圧し アンダーバランスを手にしたとき 世界は新たな時代を迎えるでしょう。｣



今までとは違う綾部にゲンドウは驚きつつも、それを否定しようとする。

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綾部の胸騒ぎ→←宣戦布告

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